こんにちは、合同会社SAiの佐藤です。中小企業のサイトを作っています。
「ドメインパワーを上げましょう」と業者に言われたけれど、そもそもそれが何なのか分からない——よくあるご相談です。
この記事では、そもそもドメインとは何かというところから、専門用語をできるだけ使わずに説明します。そのうえでドメインパワーの正体と、無料で測る方法をお伝えします。そのうえで、実務でいちばん多い「数値は高いのに、検索で見つからない」という状態がなぜ起きるのかを書きます。
その前に:ドメインとは何か
ドメインパワーの話の前に、ドメインそのものを整理しておきます。ここが曖昧なままだと、あとの話が入ってきません。
ドメインは、インターネット上の住所です。
sai-labs.co.jp や example.com のような文字列がそれです。ブラウザのアドレス欄に出ているものだと思ってください。
家にたとえると、こうなります。
| 役割 | たとえ | |
|---|---|---|
| ドメイン | サイトの住所。○○.com の部分 | 住所(東京都◯◯区1-2-3) |
| サーバー | サイトのデータが置いてある場所 | 土地・建物 |
| サイト | 画像や文章そのもの | 家具や中身 |
家具(サイトの中身)は入れ替えられますし、引っ越し(サーバーの変更)もできます。でも住所を変えると、これまで年賀状を送ってくれていた人が、どこに送ればいいか分からなくなります。
ドメインを変えるというのは、この「住所を変える」ことです。あとで書くとおり、ここが判断の分かれ目になります。
「.com」と「.co.jp」の違い
末尾の部分をトップレベルドメインと呼びます。よく使われるのはこのあたりです。
| 末尾 | 誰が取れるか | 費用の目安 |
|---|---|---|
| .com | 誰でも | 年1,000〜2,000円 |
| .jp | 日本在住なら誰でも | 年2,000〜4,000円 |
| .co.jp | 日本で登記された会社だけ。1社1つ | 年3,000〜5,000円 |
.co.jp は登記簿がないと取得できません。そのぶん「実在する会社だ」という証明になります。とはいえ .com でも検索順位が不利になることはないので、すでにお使いのものがあれば変える必要はありません。
ドメインは「借りているもの」です
もうひとつ、誤解されやすい点です。ドメインは買い切りではなく、年単位の使用料を払い続けて借りているものです。
更新を忘れて期限が切れると、使えなくなります。他人に取られてしまうこともあります。制作業者の名義で取得していると、契約を切ったときに一緒に失うことがあるので、名義がどうなっているかは一度確認しておくことをおすすめします。
ここまでを押さえたうえで、本題に入ります。
結論:他のサイトからの「信頼の量」です
先に結論です。
- ドメインパワーは、そのサイトが他のサイトからどれだけ信頼されているかを数値にしたものです
- 中身はほぼ被リンク——他のサイトから自分のサイトに貼られたリンクの数と質で決まります
- 自分でつける点数ではありません。外から集まった評価です
- そして高いからといって、検索で見つかるとは限りません。ここが誤解されやすいところです
順に見ていきます。
被リンクは「他人からの推薦状」
ドメインパワーを理解するには、まず被リンクを知る必要があります。
被リンクとは、他のサイトの中に貼られた、あなたのサイトへのリンクのことです。たとえば業界団体のサイトに会員として自社のURLが載っている、取引先が「施工を担当しました」と紹介してくれている、地域のメディアが取り上げてくれた——これらが全部、被リンクです。
検索エンジンはこれを推薦状のように扱います。「たくさんの会社が紹介しているサイトなら、それなりに信頼できるだろう」という考え方です。
そして推薦状は、誰が書いたかで重みが変わります。
- 官公庁や業界団体のサイトからのリンク → 重い
- 大手メーカーの公式サイトからのリンク → 重い
- どこかのブログのコメント欄に自分で貼ったリンク → ほぼ意味がない
この「数」と「重み」を合計して数値にしたものが、ドメインパワーです。
無料で測る方法
いくつかツールがあります。会社名やURLを入れるだけで、その場で数値が出ます。
| ツール | 呼び方 | 数値の範囲 |
|---|---|---|
| Ahrefs ウェブサイトオーソリティチェッカー | ドメインレーティング(DR) | 0〜100 |
| パワーランクチェックツール(アクセスSEO対策ツールズ) | パワーランク | 0〜100 |
| Moz Link Explorer | ドメインオーソリティ(DA) | 0〜100 |
注意点が2つあります。
サービスごとに計算方法が違います。同じサイトを測っても、AではDR21、BではDA35、といったズレが出ます。他社と比べるときは、必ず同じツールで測ってください。
Googleが発表している公式の数値ではありません。どれも各社が独自に推定したものです。目安として使うものであって、これが直接そのまま順位になるわけではありません。
数値の目安
中小企業のサイトを測ると、だいたいこのあたりに収まります(Ahrefsのドメインレーティングの場合)。
| 数値 | 状態 |
|---|---|
| 0〜5 | 作ったばかり。まだ誰にも紹介されていない |
| 10〜20 | 数年運営している。取引先や業界団体からのリンクが少しある |
| 20〜30 | 地域の中小企業としては良い水準 |
| 40〜 | 業界内で認知されている。メディア掲載などがある |
| 70〜 | 大手企業・大手メディア |
10年以上事業を続けていて、業界団体に入っていて、メーカーのサイトに施工店として載っている——こういう会社は、何もしていなくても20前後になっていることがあります。営業活動そのものが、被リンクを生んでいるからです。
「高いのに検索に出ない」がいちばん多い
ここからが本題です。
実際にご相談を受けると、ドメインパワーは悪くないのに、検索からの流入がほとんどないという会社がかなりあります。
たとえば、こういう状態です。
- ドメインレーティングは20前後(地域で長く続けてきた会社としては良い水準)
- 被リンクは数百ドメイン。官公庁、大手メーカー、業界団体、検査機関などから自然に集まったもの
- それなのに、検索で拾われている言葉はひと桁。自然検索からの流入は月に数回
推薦状は何百通もあるのに、誰も訪ねてこない。なぜこうなるのか。
理由:評価を受け止めるページが無い
検索エンジンは、ページ単位で順位を決めています。ドメインパワーはサイト全体の下駄のようなもので、その下駄を履くページが無ければ、順位はつきません。
こういうサイトの構成は、たいてい会社案内・実績紹介・お知らせ・アクセス・問い合わせです。これはすでにその会社を知っている人が見るには十分です。
一方で、これから頼もうと考え始めた方が検索するのは「◯◯ 相場」「◯◯ 費用」「◯◯ 選び方」といった言葉です。そこに答えるページが1枚も無い。だから、どれだけ信頼されていても、検索結果に出る場所がないのです。
ドメインパワーは「入場券」であって、「席」ではありません。席(ページ)を用意して初めて、券が意味を持ちます。
上げる方法と、やってはいけないこと
正攻法は、紹介される理由を作ることです。
- 業界団体・組合・メーカーの会員ページに載せてもらう
- 施工事例や調査データなど、他のサイトが引用したくなる内容を出す
- 地域のメディアや取材に応じる
- 取引先のサイトで紹介してもらう
時間はかかりますが、これが本筋です。
買ってはいけません。「被リンク1,000本◯万円」という業者がありますが、これはGoogleのスパムに関するポリシーで明確に禁止されています。順位が下がるだけでなく、サイト全体が検索結果から消えることもあります。
そして——先ほどの例のとおり、多くの会社にとって、上げることより先にやることがあります。すでにある評価を使い切れていないなら、被リンクを増やすより、答えるページを作るほうが早く効きます。
サイトを作り直すとき、ドメインを変えてはいけない
最後に、これがいちばん損失の大きい判断です。
サイトをリニューアルするとき、「せっかくだから新しいドメインにしよう」と考える方がいます。社名に合わせたい、覚えやすくしたい、という理由です。
しかしドメインを変えると、それまでに集まった被リンクを引き継げません。何百社からのリンクがあったとしても、新しいドメインはゼロからのスタートです。
転送設定(301リダイレクト)である程度は引き継げますが、完全ではありませんし、元のドメインの契約を切れば効果も切れます。10年かけて貯めたものを手放す判断になります。
AI検索の観点でも同じです。ChatGPTなどのAIは独自にサイトを巡回して索引を作っていますが、当社の実測では、新しく公開したページがAIに拾われるまでには時間がかかります。評価が積み上がっているドメインを使い続けるほうが、条件としては有利です。
社名が変わった、事業が完全に変わった、といった事情がない限り、同じドメインのまま中身を作り直すことをおすすめします。
まとめ
- ドメインパワーは他のサイトからの信頼の量。中身は被リンクの数と質
- 無料ツールで測れるが、サービスごとに数値の定義が違うので同じツールで比べる
- 中小企業なら20前後で良い水準。営業活動そのものが被リンクを生んでいることも多い
- 高くても、答えるページが無ければ検索には出ません。入場券であって席ではない
- 被リンクは買わない。ポリシー違反で、サイトごと消えることがある
- 作り直すときにドメインを変えない。それまでの評価を引き継げません
「うちのドメインパワーはどれくらいか」「高いのに検索に出ないのはなぜか」といったご相談は、お問い合わせからお気軽にどうぞ。実際に測ったうえで、いまのサイトで何が足りていないのかをお伝えします。
AI検索とGoogle検索の両方で見つけてもらうための作り方は、LLMOサイトにまとめています。サイトの制作費・サーバー代・ドメイン代は0円で、毎月どれだけ読まれたかを測りながら、記事の追加と修正まで行うプランです。
本記事の数値は2026年9月時点の各ツールの公開情報に基づきます。事例として挙げた数字は、実際に拝見したサイトのものですが、社名は伏せています。