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AI情報漏洩の事例|公開された調査から原因と対策を読む

公開: 2026/05/22 / 最終更新: 2026/10/14 / By 佐藤 駿介
読了時間: 約4分
約1,947文字

結論(要点)

AIに関する情報漏洩は、入力内容だけでなく、サービス側の不具合、利用端末の感染、データベースの公開設定でも起きます。事例は「何が確認され、どこまでが推定か」を出典とともに読み、入力ルール・端末と認証・保存先の管理を分けて点検します。

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記事で挙げた漏洩パターンに、自社が当てはまっていないか。使っているツールと設定に答えると、30秒でリスクの高い順に出ます。

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AI利用リスク診断

10の質問で自社の漏洩リスクを可視化

質問 1 / 10

社員は ChatGPT など生成AIを業務で使っていますか?

結果はこの画面に表示されるだけで、送信も登録もされません。診断ページで大きく見る →診断結果をもとに相談する →
この記事の目次

AIの情報漏洩を調べると、実際の事故、攻撃者の主張、行政の注意喚起、一般的なリスクが同じ「事件」として並ぶことがあります。このページでは、サービス提供者・調査担当者が公表した事例から、確認できる原因と教訓を読むことに絞ります。

公開された報告を、原因ごとに読む

公表された事例確認対象主な点検先
OpenAIの2023年3月の障害サービス側の不具合による情報表示障害通知、扱う情報、影響調査
Group-IBの2023年6月の調査感染端末から取得された認証情報端末、認証、セッション管理
Wizの2025年1月のDeepSeek調査外部からアクセスできたデータベース公開設定、ログ、秘密情報の保存

表の「点検先」は当社の実務上の整理です。各報告が、現在のすべてのAIサービスの状態を示すわけではありません。

サービス側の不具合:OpenAIの2023年3月の報告

OpenAIは、2023年3月20日に発生した不具合により、一部の利用者が別の利用者の会話タイトルなどを見ることができたと公表しています。また、特定の9時間に活動したChatGPT Plus利用者の1.2%について、支払い関連情報が見える可能性があったと説明しました。クレジットカード番号全体は露出していないとしています。OpenAIの障害報告

ここからの教訓は、学習への利用設定と、サービスの不具合による露出を同じ問題にしないことです。機密情報をどこまで入力するかに加え、提供者の障害通知を受け取り、影響するデータを確認できる運用が必要です。

利用端末・認証情報:Group-IBの2023年6月の調査

Group-IBは、ChatGPTの認証情報が保存された、情報窃取型マルウェアに感染した端末101,134台を特定したと発表しました。対象は2022年6月から2023年5月にかけての流出ログの分析です。Group-IBの調査発表

これは、OpenAIのサーバーから同数のアカウントが直接盗まれたという報告ではありません。利用端末が感染すれば、AIの契約プランにかかわらず、認証情報やセッションが攻撃の入口になり得ることを示します。

点検するのは、多要素認証、端末の更新、マルウェア対策、不要なログイン状態の管理です。認証情報だけを変更しても、端末の感染が残れば再び盗まれるおそれがあります。

データベースの公開設定:Wizの2025年1月の調査

Wizは、DeepSeekに属するClickHouseデータベースが認証なしで外部からアクセスでき、チャット履歴や秘密鍵などを含む100万行超のログが露出していたと報告しました。DeepSeekへ連絡後、公開状態は修正されたとしています。Wizの調査報告

「AIの回答に機密が出る」という経路とは別に、ログや管理用の保存先から漏れる経路があります。自社でAIを構築する場合も、外部公開の範囲、ログに残す情報、認証、保存期限を確認する必要があります。

注意喚起と一般的リスクは、事例と分ける

行政の注意喚起は、企業が対策を決めるための資料であり、それ自体を1件の漏洩事件とは数えません。未承認のAI利用が広がる「シャドーAI」も、単一の事故ではなく管理上の状態を指します。

自社では、どの経路から点検するか

入力する情報の判断は機密情報をAIに入れてよいか、予防策の手順はChatGPT利用時の漏洩対策で説明しています。

事例を読んだ後は、使っているAI、入力するデータ、端末とアカウント、保存先、管理者を一覧にし、自社に当てはまる経路を確認します。「専用AI」「ローカル」という名前だけで安全とせず、権限や運用まで確認することが必要です。

権限と記録をどう作るかの実例はAIに社内データを触らせるときの、権限と記録の作り方(美容機器の卸・製造グループ)、当社の進め方は安全にAIを入れる当社のやり方にまとめています。

よくある質問

Q. 学習に使われなければ情報漏洩は起きませんか?

学習への利用と、認証情報の窃取・設定不備・不具合による露出は別です。入力条件に加え、端末・アカウント・保存先も点検します。

Q. 公開された件数を、そのまま被害人数として使えますか?

使えません。端末台数、ログ行数、影響の可能性がある利用者など、各報告の単位を確認します。露出した可能性と、不正利用が確認された範囲も区別します。

Q. 自社専用のAIなら点検は不要ですか?

必要です。公開範囲、利用権限、外部への送信先、ログ、バックアップを管理します。導入方法によってリスクの場所が変わるので、運用条件まで確認してください。

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この記事を書いた人

佐藤 駿介

佐藤 駿介

Shunsuke Sato

代表 / Founder & Developer, 合同会社SAi

中小企業のAI・業務自動化を専門とする開発者。営業マンや下請けを介さず、ヒアリングから開発・運用まで一貫して直接対応。「月額1万円から始められる、本当に必要なAIだけ」をモットーに、フルスクラッチ開発を中小企業の手の届く価格で提供している。

ルールだけでは、貼る社員を止められません

入力する情報に加え、利用者の権限・保存先・操作記録も点検が必要です。当社は、AIが読める範囲と書ける範囲をあらかじめ分け、誰が・どのデータを・何のために処理したかを記録に残す形で、社内のAI利用を仕組みにしています。社外にデータを出さない社内完結の構成もご相談いただけます。初期費用0円・月額制です。

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