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Cloudflare Workersとは?AWSとの違いを初心者向けに解説

公開: 2026/05/27 / 最終更新: 2026/08/26 / By 佐藤 駿介

この記事について

Cloudflare WorkersとAWSは何が違うのかを、専門用語をひとつずつ説明しながら解説します。料金の実額、費用が膨らむ原因、どちらを選べばよいかの判断、両方を組み合わせる構成まで。業務システムでもホームページでもアプリでも、サーバーを決める前に知っておきたいことをまとめました。

読了時間: 約17分
約8,742文字

結論(要点)

Cloudflare Workersは、書いたプログラムを世界中の拠点へ自動で配って動かす仕組み。サーバーの置き場所も台数も決める必要がなく、使っていない時間の費用が発生しない。AWSは部品を自分で選んで組み立てる方式で、できることは広いが決めることが多い。料金はWorkersが月5ドルから(月1,000万リクエスト・3,000万CPUミリ秒を含む)、ファイル保管のR2は1GBあたり月0.015ドルでデータ転送料が0円。請求額を左右するのはアクセス数ではなくCPU時間なので、画像の加工やPDFの作成のような重い処理を含むかどうかで見積もりが変わる。小さく始めたいならCloudflare、重い処理や既存システムがAWSにあるならAWS、実際には配信だけCloudflareにする組み合わせも多い。業務システム・ホームページ・アプリのいずれにも当てはまる判断軸。後から移しにくいのはデータベースだけ。

Cloudflare Workersとは?AWSとの違いを初心者向けに解説

こんにちは、合同会社SAi代表の佐藤です。

業務システム、ホームページ、アプリ。何を作るときでも必ず出てくるのが「サーバーはどこにするか」という話です。

とりあえずAWS、という選択は間違いではありません。ただ、小さく始めて様子を見たい場合、ほかの選択肢を知らずに決めてしまうと、後から費用の面で苦しくなることがあります。

この記事は、専門用語をひとつずつ説明しながら進めます。技術に詳しくない方が読んでも分かるように書きました。

その前に:サーバーとは何か

サーバーとは、24時間動き続けているコンピューターのことです。

ホームページやアプリを使うとき、手元のスマホやパソコンの中に全部が入っているわけではありません。どこかに置いてあるコンピューターに問い合わせて、答えをもらっている——これがインターネットの基本的な仕組みです。

その「どこかに置いてあるコンピューター」がサーバーです。

そして、そのサーバーをどこの会社から借りるかという話が、これから説明するAWSとCloudflareの比較です。

先に、出てくる言葉だけ

この記事で使う言葉を先にまとめます。ここだけ押さえれば、あとは読めます。

言葉意味
AWSAmazonが提供しているサーバーの貸し出しサービス。世界で最も使われています
Cloudflare同じくサーバーを貸すサービス。仕組みの考え方がAWSと違います
WorkersCloudflareの機能のひとつ。プログラムを動かす場所
R2Cloudflareの機能のひとつ。画像やファイルを保管する場所
リクエスト「このページを見せて」という1回の問い合わせのこと
データ転送サーバーから利用者へデータが送られること。画像を1枚表示するたびに発生します

結論を先に

  • AWSは「部品を選んで組み立てる」方式。できないことがほぼない代わりに、決めることが多い
  • Cloudflareは「置いたら世界中で動く」方式。選べる範囲は狭い代わりに、決めることも少ない
  • Cloudflareはデータ転送料が0円です。ここがAWSとの一番大きな金額差になります
  • 費用を左右するのはアクセス数ではなく「処理の重さ」です
  • どちらか一方に決め切る必要はありません。後から動かしにくいのはデータベースだけです

Cloudflare Workersとは

Cloudflare Workersとは、書いたプログラムを世界中のCloudflareの拠点に配置して動かす仕組みです。

普通のサーバーは、どこか1か所に置きます。たとえば東京のデータセンターです。日本からのアクセスは速いのですが、海外からは物理的に遠くなるぶん、返事が返ってくるまでに時間がかかります。

Workersは置き場所を指定しません。プログラムをアップロードすると自動的に各地へ配られ、アクセスしてきた人に一番近い拠点で動きます。

そしてサーバーの台数を考える必要がありません。アクセスが増えれば自動的に処理され、誰も使っていない時間には費用が発生しません。

AWSとの違い

AWSは1か所に置く、Cloudflareは世界中の拠点で動く

AWSは自由度が高い代わりに、決めることが多い

AWSでは、サーバー、データベース、ファイルの保管場所、通信経路をそれぞれ選んで組み合わせます。設置する地域(リージョンと呼びます)も自分で決めます。

できないことがほぼありません。その代わり、選択肢が非常に多く、設定と運用の知識が必要になります。

家を建てるのにたとえると、土地を選んで、間取りを決めて、建材を選んで建てるイメージです。理想どおりのものができますが、決めることが山ほどあります。

Cloudflareは選択肢が少ない代わりに、決めることも少ない

Cloudflareは、置き場所を選びません。サーバーの台数も考えません。

できることの範囲はAWSより狭いのですが、立ち上げ期に必要な機能はだいたい揃っています。

こちらはできあがっている建物に入居するイメージです。間取りは変えられませんが、すぐ住めます。

項目ごとに並べると、こうなります。

AWSCloudflare
置き場所地域を自分で決める指定しない。各地へ自動で配られる
サーバーの台数自分で設計する考えなくてよい
使っていない時間の費用かかる構成になりやすいかからない
データ転送料通信量に応じてかかる0円
できることの幅ほぼ制限なしAWSより狭い
必要な知識設定と運用の知識が要る少なくて済む
向いている場面要件が複雑・既存システムがAWSにある小さく始めたい・世界中から使われる

「AWSは高い」と言われる理由

AWSは24時間課金、Cloudflareは動いた瞬間だけ課金

よく言われますが、正確には使っていない時間にも費用が発生する構成になりやすいということです。

AWSでよく使われる形は、サーバーを1台借りて動かしっぱなしにするやり方です。この場合、深夜に誰もアクセスしていなくても料金は発生します。お店の家賃と同じで、お客さんが来なくても払います。

Cloudflareは実際にプログラムが動いた分だけの課金です。誰も使っていない時間は0円です。

もうひとつがデータ転送料です。

AWSは、サーバーから外へデータを送るときに通信量に応じた料金がかかります。利用者が画像を1枚見るたびに、少しずつ料金が発生していると考えてください。1枚あたりは小さくても、利用者が増えると積み上がります。

Cloudflareは、この転送料が0円です。

料金は何にいくらかかるのか

以下は2026年8月に公式ドキュメントを再確認した時点の金額です。ドル建てなので、円に直すと為替で変わります。

プログラムを動かす(Workers)

項目無料プラン有料プラン(月5ドル〜)
リクエスト数1日 10万件まで1,000万件を含む
CPU時間1回あたり 10ミリ秒まで3,000万ミリ秒を含む
超過分(リクエスト)100万件ごと 0.30ドル
超過分(CPU時間)100万ミリ秒ごと 0.02ドル

月5ドルは、1ドル150円で計算すると月750円ほどです(為替で変わります)。

無料プランでも1日10万リクエストまで使えます。1日10万件は、社内向けのツールや立ち上げ直後の検証なら十分な数字です。

画像やファイルを置く(R2)

項目無料枠超過分
保存容量月 10GBまで1GBあたり 0.015ドル / 月
データ転送(外への通信)無制限0円
書き込み・一覧の取得月 100万回100万回ごと 4.50ドル
読み取り月 1,000万回100万回ごと 0.36ドル

表の「書き込み」はファイルを保存する操作、「読み取り」はファイルを取り出す操作のことです。

データ転送が0円という点が、AWSのファイル保管サービス(S3といいます)との一番大きな違いです。

画像や資料をたくさん配信するサービスでは、保存する量より、送り出す量のほうが費用に効いてくることがよくあります。ここが0円になるのは、金額として大きい。

費用を左右するのは「処理の重さ」です

ここが一番の落とし穴なので、丁寧に説明します。

表にCPU時間という項目があります。これはプログラムが実際に計算していた時間のことです。

たとえるなら、料理をしていた時間です。オーブンに入れて待っている時間は含まれません。手を動かしていた時間だけを数えます。

そのため、こうなります。

  • データを出し入れするだけの処理(一覧を表示する、登録するなど)は、回数が多くてもCPU時間をあまり使いません
  • 画像を加工する、PDFを作る、大量のデータを集計するといった処理は、回数が少なくてもCPU時間を大きく使います

つまり「アクセスが何件あるか」より「重い処理が入っているか」で金額が決まります。

ここを確認せずに「安いらしい」で決めると、想定と違う請求になることがあります。逆に言えば、重い処理がなければ、かなり安く収まります。

どちらを選ぶか

CloudflareとAWSを選ぶ判断フロー

上から順に3つ答えるだけです。

1. 既存システムがすでにAWSにありますか

あるなら、AWSで揃えたほうが楽です。データのやり取りが同じ会社の中で完結するぶん、転送料もかかりません。

取引先からAWS指定がある場合も同じです。

2. 1回の処理が重い機能がありますか

動画の変換、大量データの集計、時間のかかる処理。これらが中心なら、AWSのほうが向いています。

前に説明したCPU時間の課金が効いてくるためです。

3. 画像やファイルを多く配信しますか

するなら、Cloudflareが有利です。データ転送料が0円になるぶんが、そのまま差になります。

利用者が各地に散らばっている場合も同じで、拠点が世界中にあるCloudflareのほうが速く応答できます。

全部「いいえ」なら

まずCloudflareで小さく出すのがおすすめです。使っていない時間の費用が出ないので、様子を見ながら進められます。

伸びてきてから考えても遅くありません。

実際には、組み合わせることが多い

現実的な構成としては、両方を使う形がよくあります。

  • 画面の配信と、画像やファイルの置き場はCloudflare(転送料が0円なので効きます)
  • 重い処理とデータベースはAWS

こうすると、利用者が増えて通信量が跳ねても、費用が急に膨らみにくくなります。

最初に全部決めなくて構いません

後から動かしにくいのはデータベースだけです。

プログラムの置き場所も、ファイルの保管場所も、後から移せます。手間はかかりますが、サービスを止めずに切り替えることもできます。

一方でデータベースは、入っているデータごと引っ越すことになるので、たまっているデータが多いほど大変になります。引っ越しの荷物と同じで、住み始めてからのほうが荷物は増えています。

なので、最初に慎重に決めるべきなのはデータベースだけです。それ以外は「今いちばん安く早く出せる形」で始めて構いません。

データの引っ越しでよくある失敗は名寄せとは?システム移行で顧客が消える原因と対策にまとめています。

使われ始めてからの見通し

公開直後と、利用者が増えてからでは、効いてくる費用が変わります。

段階効いてくるもの対策
立ち上げ期固定費(使っていなくてもかかる分)使った分だけの課金にする
利用者が増える時期データ転送量配信部分を転送料0円の構成にする
機能が増える時期処理の重さ重い処理だけ切り出して別で動かす
事業が安定した後データベースの規模最初の選択がここで効いてきます

最初から全部を最適化する必要はありません。ただ、どの段階で何が効いてくるかを知っておくと、機能を追加するときの判断が速くなります。

よくある質問

Q. Cloudflare Workersとは何ですか?

書いたプログラムを、世界中のCloudflareの拠点に自動で配置して動かす仕組みです。普通のサーバーはどこか1か所に置きますが、Workersは置き場所を指定せず、アクセスしてきた人に一番近い拠点で動きます。サーバーの台数を考える必要がなく、誰も使っていない時間には費用が発生しません。無料プランでも1日10万リクエストまで使えます。

Q. そもそもサーバーとは何ですか?

24時間動き続けているコンピューターのことです。ホームページやアプリを使うとき、内容が手元のスマホに全部入っているわけではなく、どこかに置いてあるコンピューターに問い合わせて答えをもらっています。その問い合わせ先がサーバーです。AWSやCloudflareは、そのサーバーを貸してくれる会社だと考えてください。

Q. CloudflareとAWSはどちらが安いですか?

立ち上げ期と、画像やファイルを多く配信するサービスでは、Cloudflareのほうが安くなりやすいです。理由は2つあります。1つは、使っていない時間の費用が発生しないこと。もう1つは、データを外に送る転送料が0円であることです。逆に、動画の変換や大量集計のように1回の処理が重い機能が中心なら、AWSのほうが安くなることもあります。

Q. Cloudflare Workersの料金はいくらですか?

有料プランは月5ドルからで、月1,000万リクエストと3,000万CPUミリ秒が含まれます。1ドル150円で計算すると月750円ほどです(為替で変わります)。超過分はリクエストが100万件ごと0.30ドル、CPU時間が100万ミリ秒ごと0.02ドルです(2026年8月に公式ドキュメントで確認)。無料プランは1日10万リクエストまで使えます。

Q. CPU時間とは何ですか?

プログラムが実際に計算していた時間のことです。料理でいえば、手を動かしていた時間にあたります。オーブンで待っている時間は含まれません。データを表示したり登録したりするだけの処理はCPU時間をあまり使いませんが、画像の加工やPDFの作成は、回数が少なくても大きく使います。Cloudflareの請求額は、アクセス数よりこちらで決まります。

Q. R2とS3の違いは何ですか?

どちらも画像やファイルを置く場所で、一番大きな違いはデータ転送料です。R2(Cloudflare)は外へのデータ転送が0円ですが、S3(AWS)は通信量に応じて課金されます。画像を多く配信するサービスでは、この差が費用の大部分を占めることがあります。ただし、データがAWSの中で完結して外に出ない使い方なら、S3でも転送料はかからないので差は小さくなります。

Q. あとからAWSに移すことはできますか?

プログラムとファイルの置き場所は、あとから移せます。手間はかかりますが、サービスを止めずに切り替えることも可能です。移しにくいのはデータベースだけで、こちらは入っているデータごと引っ越すことになるため、たまっているデータが多いほど大変になります。最初に慎重に決めるべきなのはデータベースで、それ以外は後から変えられます。

Q. 無料プランだけで運用できますか?

社内向けのツールや、立ち上げ直後の検証なら足りることが多いです。Workersの無料プランは1日10万リクエストまで使えます。ただし1回あたりのCPU時間が10ミリ秒までという制限があるため、重い処理を含む場合は有料プラン(月5ドル〜)が必要になります。ファイル保管のR2も月10GBまでは無料で、転送料は無料プランでも0円です。

まとめ

  • サーバーとは、24時間動いているコンピューター。それを貸す会社がAWSとCloudflare
  • AWSは部品を選んで組み立てる方式。できることは広いが、決めることが多い
  • Cloudflareは置いたら世界中で動く方式。選べる範囲は狭いが、決めることも少ない
  • Cloudflareはデータ転送料が0円。画像や資料を多く配信するほど、この差が金額に出る
  • 費用を決めるのはアクセス数ではなく処理の重さ。画像加工やPDF作成が入ると変わる
  • 両方を組み合わせる構成も多い。配信はCloudflare、重い処理とデータベースはAWS
  • 後から動かしにくいのはデータベースだけ。それ以外は最初に決め込まなくてよい

「うちのサービスならどちらが合うか」を整理する段階でも構いません。お問い合わせからご相談ください。作る本人が直接お話を聞きます。

参考

本記事の金額は2026年8月にCloudflare公式ドキュメントで確認したものです。料金は変更される場合があるため、検討時は公式ページで最新の情報をご確認ください。

About the Author

佐藤 駿介

佐藤 駿介

Shunsuke Sato

代表 / Founder & Developer, 合同会社SAi

中小企業のAI・業務自動化を専門とする開発者。営業マンや下請けを介さず、ヒアリングから開発・運用まで一貫して直接対応。「月額1万円から始められる、本当に必要なAIだけ」をモットーに、フルスクラッチ開発を中小企業の手の届く価格で提供している。

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