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写真台帳の作成を自動化する|工事写真の整理をなくす

公開: 2026/08/25 / By 佐藤 駿介

この記事について

現場で撮った写真を、事務所に戻ってから仕分けしてExcelに貼る。この作業は仕組みで丸ごとなくせます。写真台帳が手間になる原因、撮影時に一緒に記録すべき6つの情報、既製のアプリで足りる場合と自社に合わせて作るべき場合の判断基準を、業務システムを開発している立場から解説します。

読了時間: 約10分
約4,883文字

結論(要点)

写真台帳の作成が手間になるのは、撮影と整理が分かれているから。カメラロールにまとめて溜めてから、どの現場・どの工程かを思い出して仕分け、Excelに1枚ずつ貼って説明を入力する流れでは、100枚で数時間かかる。解決策は、撮影の時点で現場・工程・区分を選ばせ、写真と一緒に記録すること。撮影日時・撮影者・位置情報は自動で取得できるため、現場の人が入力するのは「選ぶだけ」の3項目に絞れる。これだけで仕分けと貼り付けの工程が消え、条件で絞り込んで様式どおりに出力できるようになる。既製の工事写真アプリで足りるのは、様式が標準的で、他システムと繋ぐ必要がなく、写真以外の記録を持たない場合。提出先ごとに様式が違う、既存の顧客管理や日報と繋ぎたい、写真以外も同じ画面で扱いたい場合は、自社に合わせて作るほうが結果的に安くなることが多い。

写真台帳の作成を自動化する|工事写真の整理をなくす

こんにちは、合同会社SAi代表の佐藤です。

現場で写真を撮る。事務所に戻る。カメラロールを見返して、どの現場のどの工程かを思い出しながら仕分ける。Excelに1枚ずつ貼って、説明を打ち込む。

この一連の作業は、仕組みで丸ごとなくせます。

写真台帳が手間になっているのは、写真の枚数が多いからではありません。撮影と整理が分かれているからです。この記事では、その理由と解決の考え方、そして既製のアプリで足りるのか自社に合わせて作るべきなのかの判断基準を整理します。

なぜ写真台帳の作成に時間がかかるのか

撮ってから整理する流れと、撮った時点で台帳に入っている流れの比較

よくある流れを分解すると、こうなります。

  1. 現場で撮る → カメラロールにまとめて溜まる
  2. 事務所で仕分ける → どの現場・どの工程か思い出しながら分類
  3. Excelに貼る → 1枚ずつ貼り付けて説明を手入力
  4. 印刷・提出 → レイアウトが崩れてやり直すことも

このうち2と3は、本来やらなくていい作業です。撮影した本人はその瞬間、どの現場のどの工程かを分かっています。その情報を撮影時に受け取っていないから、後で思い出す羽目になっているだけです。

写真1枚あたり数分でも、100枚あれば数時間になります。現場が複数あれば、その分だけ増えます。

解決の考え方:撮った時点で台帳に入れる

やることは単純です。撮影の前に「どの現場か」「どの工程か」を選んでもらい、写真と一緒に記録します。

そうすると、仕分けの工程が消えます。台帳は「条件で絞り込んで、並び順を決めて出力する」だけになります。

写真1枚に、何を一緒に記録するか

写真と一緒に記録する6つの情報

重要なのは、自動で取れるものと、人が選ぶものを分けることです。

記録する内容取得方法
撮影日時自動
撮影者自動(ログイン中の担当者)
位置情報自動(緯度・経度)
現場・案件選ぶ
工程・部位選ぶ
区分(着工前/施工中/完了)選ぶ

現場の人が操作するのは「選ぶだけ」の3項目です。文字入力を求めると、現場では続きません。手袋をしていたり、雨が降っていたり、片手がふさがっていたりするからです。

逆に言えば、選択肢を押すだけなら続きます。ここが仕組みが定着するかどうかの分かれ目です。

続けるための工夫

  • 直前に選んだ現場・工程を覚えておく … 同じ現場で連続撮影するときに、毎回選び直さなくて済む
  • まとめて撮ってから、まとめて分類できる逃げ道も残す … 急いでいるときは後回しにできるように
  • 選択肢は現場の言葉で作る … 一般的な工程名ではなく、その会社で普段使っている呼び方に合わせる

3つ目は見落とされがちですが、定着に一番効きます。普段「基礎」と呼んでいるものが選択肢で「基礎工事(配筋)」になっていると、探す手間が生まれて使われなくなります。

あとから探せるようにする

写真は溜まります。年間で数千枚、数年で数万枚になります。

探す軸は、実務ではだいたいこの4つです。

  • 現場・案件で絞る … 「◯◯様邸の写真をすべて」
  • 工程で絞る … 「基礎配筋の写真だけ」
  • 期間で絞る … 「先月撮ったもの」
  • 区分で絞る … 「完了写真だけ」

撮影時にこれらを記録していれば、組み合わせて一発で絞り込めます。フォルダを掘っていく必要がありません。

フォルダ分けの弱点は、1つの軸でしか整理できないことです。現場別のフォルダを作ると工程で探せず、工程別にすると現場で探せません。情報を写真に紐づけておけば、どの軸からでも辿れます。

出力(台帳の書き出し)

提出先の様式に合わせて出力できることが、実務では重要です。

  • 1ページあたりの枚数(2枚・4枚・6枚など)
  • 写真ごとの記載項目(撮影日・工程・説明文)
  • 並び順(撮影日順・工程順)
  • 出力形式(PDF・Excel)

ここが合わないと、結局Excelで作り直しになります。導入を検討するときは、実際の提出様式で1件出力させてもらってから判断してください。

既製アプリで足りる場合と、作ったほうがいい場合

工事写真の管理アプリは既にいくつも出ています。まずそれで足りるかを検討するのが順番として正しいです。

既製アプリで足りる場合

  • 提出様式が標準的(一般的な工事写真台帳の形式で通る)
  • 写真の管理だけができればよい
  • 他のシステムと繋ぐ必要がない
  • 使う人数が少なく、月額の課金で収まる

自社に合わせて作るほうがいい場合

  • 提出先ごとに様式が違う … 元請けや官公庁ごとに指定様式がある
  • 既存のシステムと繋ぎたい … 案件管理や日報と現場情報を共有したい
  • 写真以外の記録も同じ画面で扱いたい … 作業報告・検査記録・図面など
  • 人数が多く、月額の合計が大きくなる … 1人あたり課金だと人数分かかる
  • 撮影以外の運用も含めて設計したい … 承認フローや権限管理

とくに1つ目と3つ目は、既製アプリでは埋めにくい部分です。「写真は写真アプリ、報告書は別のツール、案件情報はまた別」となると、結局どこかで転記が発生します。

顧客や個人が写った写真を扱う場合

現場写真とは別に、人が写る写真を扱う場合は、確認しておくことがあります。

  • 撮影と利用について、本人の同意を得ているか
  • 保管期間を決めているか(いつまで保存し、いつ消すか)
  • 誰が閲覧できるか(担当者のみか、全社員か)
  • 退職者のアクセスを止められるか

顔が写っている写真は個人情報として扱われます。とくに施術前後の写真や、身体の状態が分かる写真は取り扱いに注意が必要です。撮影時に同意を記録できる仕組みにしておくと、後から確認できます。

費用の考え方

写真を扱うシステムでは、保存容量が継続的なコストになります。

スマートフォンで撮影した写真は1枚あたり2〜5MB程度です。月200枚なら年間で5〜12GB程度。クラウドストレージの費用は、この規模なら月数百円から数千円の範囲に収まります。

撮影した原本を残しつつ、一覧表示用に軽い画像を別に持つのが一般的な作りです。表示が速くなり、通信量も抑えられます。

当社の場合、業務システムは初期費用0円・月額1万円〜(税別)でお受けしています。写真の保存にかかるクラウド費用は実費が別途かかります。詳しくは開発内容別の料金一覧をご覧ください。

よくある質問

Q. 写真台帳の作成を自動化できますか?

できます。ポイントは撮影の時点で「現場」「工程」「区分」を選んでもらい、写真と一緒に記録することです。撮影日時・撮影者・位置情報は自動で取得できるため、現場の人が操作するのは選択だけになります。これにより、事務所での仕分けとExcelへの貼り付けという工程がなくなり、条件で絞り込んで様式どおりに出力するだけになります。

Q. 工事写真の管理は既製のアプリで足りますか?

提出様式が標準的で、写真の管理だけができればよい場合は足ります。一方、提出先ごとに様式が違う、既存の案件管理や日報と繋ぎたい、写真以外の記録も同じ画面で扱いたい、といった条件があると既製アプリでは埋めにくくなります。導入前に、実際の提出様式で1件出力させてもらうと判断しやすくなります。

Q. 現場でスマホから写真を撮って登録できますか?

できます。専用アプリをストアから配布しなくても、ブラウザで開いてホーム画面にアイコンを置く方式(PWA)でカメラを使えます。ストアの審査もインストール作業も不要で、URLを案内するだけで配布できます。詳しくはPWAとは?アプリを作る前に知りたい選択肢で解説しています。

Q. 過去の写真が大量にあります。取り込めますか?

取り込めます。ただし過去の写真には現場や工程の情報が付いていないため、どこまで遡って整理するかを決める必要があります。実務では「今後の分だけ仕組みに載せ、過去分はフォルダのまま参照できるようにする」という割り切りが多いです。全部を整理し直すのは手間の割に使われないことが多いためです。

Q. 写真の保存容量はどれくらい必要ですか?

スマートフォンの写真は1枚2〜5MB程度なので、月200枚なら年間5〜12GB程度が目安です。クラウドストレージであれば、この規模で月数百円から数千円の範囲です。原本を残しつつ一覧表示用に軽い画像を別に持つ作りにすると、表示速度と通信量を抑えられます。

Q. 顧客が写った写真を扱うときの注意点は?

顔が写る写真は個人情報として扱われます。撮影と利用についての同意、保管期間、閲覧できる人の範囲、退職者のアクセス停止。この4点を決めておいてください。とくに施術前後の写真など身体の状態が分かるものは慎重な取り扱いが必要です。撮影時に同意を記録できる仕組みにしておくと、後から確認できます。

まとめ

  • 写真台帳が手間なのは枚数のせいではなく、撮影と整理が分かれているから
  • 撮影時に現場・工程・区分を選ばせるだけで、仕分けの工程が消える
  • 日時・撮影者・位置は自動取得。人が操作するのは「選ぶだけ」に絞る
  • 選択肢は現場の言葉で作る。ここが定着するかどうかを分ける
  • 既製アプリで足りるかは、実際の提出様式で1件出力させてもらって判断する

当社では、現場で使う業務システムをフルスクラッチで開発しています。「今の運用のどこを仕組みにできるか」の整理からご相談いただけますので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。

About the Author

佐藤 駿介

佐藤 駿介

Shunsuke Sato

代表 / Founder & Developer, 合同会社SAi

中小企業のAI・業務自動化を専門とする開発者。営業マンや下請けを介さず、ヒアリングから開発・運用まで一貫して直接対応。「月額1万円から始められる、本当に必要なAIだけ」をモットーに、フルスクラッチ開発を中小企業の手の届く価格で提供している。

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