卸や資材、食品の会社では、注文の多くがまだFAXで届きます。届いた注文書を見ながら販売管理ソフトに打ち込む作業は、毎日の決まった仕事として残っています。取引先が変わらない限り、FAXそのものはなくなりません。
この記事では、FAXをやめずに、届いたあとをデータ化する方法に絞って書きます。読み取り(OCR)と入力(RPA)を組み合わせる形で、費用は当社の実例をもとにした計算例です。
結論:読み取り→人が確かめる→RPAで入力、の4段で回す
FAX受注のデータ化は、次の4段で回ります。
- 届いたFAXを撮影する、またはスキャンする
- OCRとAIで、品名・数量・単価などを読み取る
- 読みにくい行だけ、人が確かめて直す
- RPAで、今の販売管理ソフトの入力画面に自動で入力する
大事なのは3段目です。全行を目視する運用にはせず、読み取りに自信のない行だけに印を付けて人が見る形にすると、作業が「打ち込む」から「確かめる」に変わります。
4段目は、販売管理ソフトを替えずに済みます。CSVの取り込み口やAPI(外からつなぐ口)がないソフトでも、人が打ち込んでいる画面に同じ順番で自動で入力できます。
読み取りの精度は「全部読める」を目指さない
OCRの精度を聞かれたとき、当社は「何%読めるか」ではなく「読めなかった行をどう扱うか」で答えています。
| 注文書の状態 | 読み取り | 扱い |
|---|---|---|
| 印字・楷書に近い手書き | ほぼ読める | そのまま次へ |
| 走り書き・薄い鉛筆 | 迷うことがある | 行に印を付けて人が確かめる |
| かすれたFAX・二重送信 | 読めないことがある | 画像を見ながら人が入力 |
AIで読むと、品名の表記ゆれ(「ホタテ貝柱」と「ほたて貝柱」など)を商品の一覧と照らし合わせて寄せられます。数量と単価は、取引先ごとの過去の注文と大きく違えば印を付けます。
始める前に、実物の注文書を2〜3枚で読み取りを試すと、自社の注文書でどこまで読めるかが分かります。当社では、秘密保持契約を結んだうえで無料で試しています。
製品を買うか、作ってもらうかを分ける
FAX受注のデータ化には、AI-OCRの製品とRPAの製品を別々に買う方法と、読み取りから入力までを1つの仕組みとして作ってもらう方法があります。
| 製品を別々に買う | 作ってもらう | |
|---|---|---|
| 読み取りの設定 | 自社で行う | 開発会社が行う |
| RPAの作り込み | 自社で行う | 開発会社が行う |
| ソフトの画面が変わったとき | 自社で直す | 月額の中で直す |
| 向いている会社 | 社内にRPAを作れる人がいる | IT担当がいない |
社内にRPAを作れる人がいるなら、製品を買うほうが安く済むことがあります。いない場合は、読み取りと入力を別々の製品で持つと、つなぎ目で止まったときに自社で直せません。
費用を計算例で見る
当社の実例です。計算例であり、平均や相場ではありません。
- 業種:FAXで注文を受ける会社(複数社。業種は卸・製造など)
- 作ったもの:撮影・スキャン→OCRとAIで読み取り→読みにくい行に印→人が確認→RPAで今のシステムに入力
- 費用:月額1万円(税別)・初期費用0円。サーバー代とAIの利用料はお客様の負担
- 稼働:長いところで2年以上
1年間の計算例は、月額1万円×12か月=12万円(税別)に、サーバー代とAIの利用料を足したものです。AIの利用料は読み取る枚数で変わります。1日20枚なら月に数百円から数千円の範囲が目安ですが、使うAIと枚数で変わります。
Windows専用の販売管理ソフトに入力する場合は、RPAを動かすWindowsの端末を1台用意してもらいます。
向かないケース
- 注文書がかすれたFAXや薄い鉛筆書きばかりで、人が読んでも判別しにくい場合。先に読み取りを試し、合わなければお断りしている
- 販売管理ソフトの画面が頻繁に変わる場合。RPAはそのたびに手直しが要る(通常の修正は月額内だが、止まる時間が出る)
- FAXが月に数枚しかない場合。手で打ち込んだほうが早い
よくある質問
FAXをやめて、取引先にWebやLINEで注文してもらうべきですか?
やめなくて構いません。取引先が変わらない限りFAXは残るので、変えるのは「届いたあと」だけにします。LINEやWebフォームで送ってくれる取引先は、同じ仕組みに流して段階的に切り替えられます。
OCRで読み取ったデータは、どの形で販売管理ソフトに入りますか?
ソフトに何があるかで選びます。API(外からつなぐ口)があればそれを使うのが確実です。CSVの取り込み機能があればCSVで渡します。どちらもない場合は、人が打ち込んでいる画面にRPAで自動で入力します。
読み取りを間違えたまま入力されませんか?
読み取りに自信のない行には印が付き、人が確かめてから入力に進む流れにします。印のない行も、入力の前に一覧で見られます。入力したあとは、読み取った注文書の画像と一緒に履歴に残るので、あとから突き合わせられます。
当社では、FAXの注文のデータ化を初期費用0円・月額1万円(税別)から作っています。読み取りから販売管理ソフトへの入力までの流れはFAXの注文書を読み取って入力する答えのページの動く見本で触れられ、実例はFAXの注文書をOCRで読み取りRPAで入力した事例にまとめています。