「LINEは証拠にならない」と聞いて、取引先とのやりとりをLINEで済ませてよいか迷う方は多いと思います。結論から言うと、LINEのやりとりは民事の裁判でも証拠として出せます。問題になるのは「出せるか」ではなく、「どれだけ信用してもらえるか」です。
この記事では、法律の決まりを確認したうえで、注文や追加工事のやりとりをLINEで受けている会社が、あとで困らないための残し方をまとめます。個別の事件でどう判断されるかは事案によって変わるため、実際に争いになったときは弁護士に相談してください。
民事の裁判では、LINEも証拠として出せる
民事訴訟法には、「この種類のものは証拠にできない」という一般的な決まりがありません。出された証拠をどう評価するかは、裁判官に任されています。
裁判所は、判決をするに当たり、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果をしん酌して、自由な心証により、事実についての主張を真実と認めるべきか否かを判断する。(民事訴訟法 第247条)
これを「自由心証主義」と呼びます。LINEのスクショを印刷したもの、トーク履歴のデータ、スマホの画面そのものも、証拠として出すことができます。写真のように文書でないものも文書と同じように扱う規定(第231条)があり、電子データそのものを証拠として調べる手続き(第231条の2)も整えられています。
「証拠にならない」と言われる理由
それでも「LINEは証拠にならない」と言われるのは、出したあとに信用されにくい場面があるからです。民事訴訟法には次の決まりがあります。
文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。(民事訴訟法 第228条第1項)
つまり、「このやりとりは本当にこの相手と、この日にしたものだ」と示せないと、証拠としての重みが下がります。LINEで弱くなりやすいのは、次のような場合です。
| 弱くなる場面 | 理由 |
|---|---|
| 相手の名前が写っていない | 誰とのやりとりか分からない |
| 日付・時刻が写っていない | いつの約束か分からない |
| 一部だけ切り取っている | 前後で話が変わっていた可能性を否定できない |
| 画像しか残っていない | 加工されていないか確かめられない |
| 「了解です」だけで終わっている | 何に了解したのかがはっきりしない |
紙の契約書には、署名や押印があれば本人が作ったと推定される決まり(第228条第4項)があります。LINEにはこの推定がないため、「誰が・いつ・何に」を自分で示せるように残しておくことが大切になります。
LINEを証拠として残すときの基本
スクショは「相手・日時・前後」が分かるように撮る
- トーク画面の上部にある相手の名前が入るように撮る
- 日付の区切りと、各発言の時刻が入るようにする
- 大事な発言だけでなく、その前後のやりとりも続けて撮る
- 撮った画像は加工しない(トリミングで前後を切らない)
トーク履歴をデータでも残す
スクショだけでなく、トークの設定からトーク履歴をテキストで保存しておくと、日時つきで一覧できます。スマホを機種変更するときは、トーク履歴のバックアップも忘れずに取ります。
元のスマホを消さない
争いになったとき、画面のスクショとスマホの中の実物を照らし合わせることがあります。やりとりをしたスマホやアカウントは、問題が片付くまで消さずに残します。
送信の取り消しに注意する
LINEには、送ったメッセージを一定時間内なら取り消せる機能があります。大事な約束は、相手が取り消す前に保存しておく方が安心です。
取引の注文は、「書類にして確認してもらう」まで残す
ここまでは、あとから証拠として出すための残し方です。ただ、取引の注文で本当に困るのは、裁判よりも手前の「数量が違う」「納期はそう言っていない」という食い違いです。
食い違いを防ぐいちばん確実な方法は、LINEで決まった内容を書類にして、相手に確認してもらうことです。
- LINEのやりとりから、品名・数量・単価・納期を書き出す
- 注文書(注文請書)として相手に送る
- 相手に「この内容で合っています」と返してもらう
- 元のやりとりと書類を、一緒に保管する
こうしておけば、あとで食い違いが起きても「この日に、この内容で確認してもらった」と示せます。トークだけのときより、「何に了解したのか」がはっきりします。
一方で、この手順を毎回手でやるのは手間がかかります。急ぎの日ほど書き写しが後回しになり、結局トークしか残らない、ということも起きます。
スクショから注文書を作って、確認まで残す方法
合同会社SAiの自社製品 トリシル は、この手順をスクショ1枚から行うためのものです。
- 営業担当が、注文の部分のスクショを公式LINEへ送る
- AIが品名・数量・納期を読み取り、注文書の下書きを作る(各項目に、スクショのどの発言から取ったかを付ける)
- 営業担当が確認して、お客様のLINEに確認画面を送る
- お客様は会員登録なしで、自分のLINEアカウントでログインして「この内容で注文を確定する」を押す
確定すると、元のやりとり・注文書・お客様の確定の記録(どのLINEアカウントで、いつ、どの版を確定したか)が、書き換えられない形でセットで残ります。営業担当のLINEアカウントでは確定できない仕組みです。
料金は1ユーザー月980円(税別)・初期費用0円で、いまは先行申込を受け付けています。電子契約サービスの電子署名とは別の仕組みなので、署名済みの契約書が必要な大きな取引には、電子契約サービスとの併用をおすすめします。
まとめ
- LINEのやりとりは、民事の裁判でも証拠として出せる
- 弱くなるのは、相手・日時・前後の流れが分からないとき
- スクショは相手の名前と日時が入るように、前後も含めて撮る。トーク履歴もデータで残す
- 取引の注文は、書類にして相手に確認してもらうところまで残すと、言った・言わないを防げる
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