「回数券は返金できないと言われた」「保険が使えると聞いていた」。整骨院のクレームは、説明の中身をあとから確かめられないときにこじれます。
東京都では、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策に取り組む都内の中小企業等に奨励金40万円を出す事業が、2026年11月6日(金)17時まで事前エントリーを受け付けています。募集は今回で終了と案内されています。この記事では、整骨院で確かめておくことを短く整理します。
「言った・言わない」になりやすい説明
整骨院で食い違いが起きやすいのは、次の説明です。
| 場面 | 食い違いの例 |
|---|---|
| 回数券 | 途中でやめたときの返金、有効期限 |
| 保険と自費 | 保険の対象になるけが、自費メニューとの違い |
| 通う頻度 | 「週2回」が目安なのか、必要なのか |
| 効果 | 断定に聞こえる言い方をしていないか |
対策の基本は、説明を紙や掲示でそろえることです。そのうえで、実際に何を話したかを確かめたい場面が残ります。録音はそのための手段の一つです。
録音は「同意」と「場所」を先に決める
問診の会話には、健康に関する情報が含まれます。個人情報保護法の「要配慮個人情報」にあたるため、患者さん本人の同意を取ってから録ることを前提にします。
- 録る場所:問診スペースだけにする。施術ベッドはカーテン越しに他の患者さんの声が入る
- 同意:録音の前に本人に説明し、いつ同意したかを残す
- 保存:原音をいつ消すかを決め、院内に掲示する
- 確認:誰が録音を聞けるかを決めておく
扱いの詳細は、個人情報保護委員会のガイドラインや、顧問の専門家に確認してください。
東京都の奨励金の要点
2026年10月14日に公式サイトで確認した内容です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 常時雇用する従業員300人以下の都内中小企業等(個人事業主は開業届の提出が必要) |
| 金額 | 40万円 |
| 必須 | カスハラ対策マニュアルの整備と社内周知、基本方針の社内外への周知 |
| 取組(1つ選ぶ) | 録音・録画環境の整備/AIを活用したシステム等の導入/外部人材の活用 |
| 実施期間 | 2025年4月1日〜2026年11月6日 |
| 事前エントリー | 2026年10月23日10時〜11月6日17時(GビズIDプライムが必要) |
取組には条件があります。録音・録画は機器本体を新たに購入またはリースするもの、AIシステムは新たな購入か6か月以上の契約で、どちらも領収書が必要です(請求書は不可)。AIシステムは、AIを使っていることとカスハラ対策に使えることを、資料で示す必要があります。
ほかにも、納税の確認や運用ルールの提出など、要件があります。対象になるかどうかは事務局(東京しごと財団・03-4446-4621)が判断します。エントリーしても支給が確約されるわけではありません。
都内の整骨院で動いている例
SAiでは、東京の整骨院(院長とスタッフ4名)で、初診の会話を録音・文字起こしして振り返る仕組みが稼働しています。患者さんの同意をタップで記録し、録るのは問診スペースだけです。説明についての申し出があったとき、録音でやり取りを確かめられ、クレームを防げました。
費用は1院で月額2万円(税別)、使い始めるまで約2週間でした。画面はデモで触れます。詳しくは開発事例をご覧ください。
この院が奨励金を受けたわけではありません。奨励金の取組に当てはまるかは、上の条件をもとに事務局へご確認ください。
11月6日までにやること
- GビズIDプライムの有無を確認する。ないとエントリーできません
- マニュアルを作る。公式サイトに雛形があります。条例への言及などの必須項目があります
- 取組を1つ決め、条件に合う形で導入する。契約期間と領収書の要件を先に確認します
- 期間内にエントリーする。先着順ではありません
録音の仕組みをこれから入れる場合は、残りの日数で、同意の取り方と運用ルールまで決められるかを先に見積もってください。間に合わなくても、マニュアルと説明の統一は奨励金と関係なく役に立ちます。