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システム開発費用の相場|見積書の中身を公開【2026年】

公開: 2026/09/27 / By 佐藤 駿介
読了時間: 約10分
約4,920文字

結論(要点)

システム開発の費用は「工数(人日・人月)×単価」で決まる。公開されている人月単価はPG40〜80万円、SE初級80〜100万円、SE中級100〜120万円、SE上級・PM70〜200万円程度(マイナビTechTus調べ)。人月100万円は1人日あたり約5万円にあたる。フルスクラッチの費用相場は業務支援システムで400万円前後、基幹システムで500万円前後。費用の約8割は人件費で、工程別の比率は要件定義5〜10%・設計15〜20%・実装40〜50%・テスト20〜30%・リリース5〜10%。相場の幅が広いのは単価が会社の構造(中間マージン・営業組織・オフィス)で変わるため。見積書を見るときは、区分が分かれているか、工数と単価が書いてあるか、含まれないものが書いてあるか、保守費が分かれているか、前提条件があるかの5点を見る。当社は代理店も下請けも使わないため1人日30,000円(税別)。初期費用0円の月額制が基本で、助成金など一括でのお支払いが必要な場合は月額のおよそ2年分を一括に組み直す形にも対応する。

こんにちは、合同会社SAiの佐藤です。中小企業向けに業務システムを作っています。

「見積もりをもらったけれど、この金額が高いのか安いのか分からない」

これが、システム開発でいちばん多いご相談です。無理もないと思います。車や家と違って、同じものが他所で売っていない。比べようがないからです。

この記事では、公開されている相場を整理したうえで、当社が実際にお出しした見積書の内訳をそのまま公開します。金額の当てっこではなく、見積書のどこを見れば判断できるかが分かるように書きます。

結論:費用は「工数 × 単価」でしか決まらない

先に結論です。

  • システム開発の費用は、ほぼ「工数(人日・人月)× 単価」で決まります。費用の約8割は人件費です
  • 相場に幅があるのは、単価が会社の構造で変わるからです。技術の差より、中間マージン・営業組織・オフィスの差が効きます
  • だから総額だけ見ても判断できません。「何人日で、1人日いくらか」が書かれていない見積書は、比べようがない
  • 安くする方法は範囲を切ることです。単価を値切るより効きます

順に見ていきます。

相場:公開されている数字

人月単価

人月単価は、エンジニア1人が1か月稼働したときの金額です。職種と経験で変わります。

職種人月単価
PM/PL70万〜200万円程度
SE(初級)80万〜100万円程度
SE(中級)100万〜120万円程度
SE(上級)120万〜200万円程度
PG(プログラマー)40万〜80万円程度

(出典:マイナビTechTus「システム開発の費用・料金相場は?」)

1か月を20営業日とすると、人月100万円は1人日あたり5万円です。見積書が人日で書かれている場合は、20倍すると人月単価になります。

種類別・作り方別の費用

同じ「業務システム」でも、既製品を使うか、パッケージをカスタマイズするか、ゼロから作るか(フルスクラッチ)で、桁が変わります。

システムの種類既存ツールパッケージ+カスタマイズフルスクラッチ
基幹システム月額5万円〜100万円前後500万円前後
業務支援システム月額5万円〜50〜200万円400万円前後
Webシステム無料〜100万円100〜300万円300万円前後
スマホアプリ100万円前後100〜500万円前後500万円〜

(出典:同上)

工程ごとの内訳

1,000万円の開発を例にすると、工程の比率はおおむねこうなります。

工程割合1,000万円の場合
要件定義5〜10%50〜100万円
設計15〜20%150〜200万円
実装40〜50%400〜500万円
テスト20〜30%200〜300万円
リリース5〜10%50〜100万円

実装が半分弱で、その前後(要件定義・設計・テスト)を合わせると半分を超えます。「作る」以外の部分が思ったより大きい、というのが、見積もりを見て驚かれる理由のひとつです。

実際の見積書の中身

ここからが本題です。当社が先日お出しした見積書の内訳を、そのまま出します。EC事業者さま向けに、商品登録・CSV処理・会計ソフト連携の3業務を自動化する案件です。

区分人日金額(税別)
業務分析/現状業務調査(現地立会いを含む)7210,000円
要件定義/業務フロー再設計/システム設計5150,000円
業務ツール(作業画面)の構築8240,000円
AIが安全に操作するための仕組みの整備6180,000円
業務自動化の実装7210,000円
API/既存システム連携390,000円
導入設定/テスト/データ移行/マニュアル4120,000円
合計40人日1,200,000円

1人日30,000円(税別)で積算しています。人月に直すと60万円です。先ほどの相場表と比べると、SE初級の下限(80万円)よりさらに低い水準になります。理由は後で書きます。

なお、この見積もりは一括でお支払いいただく形に組み直したものです。当社は月額でお受けするのが基本で、この120万円は月額でお受けした場合のおよそ2年分にあたります。なぜ一括にしたかは、最後の「当社の料金」に書きました。

工程の比率を見ると、業務分析と要件定義で12人日(全体の30%)を使っています。一般的な相場表では要件定義は5〜10%ですが、中小企業の業務自動化では、ここが薄いと後で必ず作り直しになります。

「いまどうやっているか」が資料になっていないことがほとんどだからです。担当者の頭の中にあるものを、実際に作業を見ながら書き起こす時間が要ります。

なぜ単価が会社によって3倍も違うのか

人月40万円の会社もあれば、200万円の会社もあります。この差は、エンジニアの腕の差より、会社の構造の差です。

同じ1人月の中に、次のものが入っています。

  • エンジニアの人件費
  • 営業担当の人件費
  • 間に入る会社の取り分(元請け→下請け→孫請けと流れる場合、各社が乗せます)
  • オフィスの賃料
  • 広告費

作る人以外にかかる費用が、そのまま単価に乗ります。大手に頼むと高いのは、技術が高いからというより、ここの構造が違うからです。

当社が1人日30,000円で出せているのは、この裏返しです。

  • 代理店を通さず、下請けにも出しません
  • お問い合わせを受けた人間が、そのまま作ります。伝言ゲームがないので、要件のズレも起きません
  • 大きなオフィスを持たず、広告も出していません

安さの理由は技術ではなく、間に人が入っていないことです。逆に言えば、大規模で何十人も動くプロジェクトには向きません。そういう案件は、体制を持っている会社のほうが確実です。

見積書を見るときの5つのポイント

総額だけでは判断できません。次の5つが書いてあるかを見てください。

1. 区分が分かれているか

「システム開発一式 ◯◯円」の1行見積もりは、比べようがありません。せめて要件定義・開発・テスト・導入くらいには分かれているべきです。

2. 工数と単価が書いてあるか

「何人日で、1人日いくらか」。これが書いてあれば、他社と同じ土俵で比べられます。総額が安くても、工数が半分なら、やることも半分です。

3. 含まれないものが書いてあるか

後から増える費用は、たいていここです。サーバー代、外部サービスの利用料、データ移行、マニュアル作成、教育。「書いていないもの=含まれていない」と思って読んだほうが安全です。

4. 保守費が分かれているか

開発費と保守費が混ざっていると、毎月いくらかかるのかが見えません。稼働後の費用は、必ず別に確認してください。

5. 前提条件があるか

「既存システムからCSVが出せること」「対象は3業務まで」といった前提です。これがない見積書は、範囲が決まっていないということなので、後で必ず揉めます。

費用を下げる、現実的な方法

単価を値切るより、確実に効く方法が3つあります。

範囲を切る。 いちばん効きます。「全部まとめて」ではなく、いちばん時間を取られている1〜2業務だけを先にやる。効果が出てから次を足すほうが、失敗したときの損も小さく済みます。当社の案件でも、第1期は3業務に絞っています。

既存の仕組みを使えるようにしておく。 既存システムからCSVが出せるかどうかで、工数が大きく変わります。データの出し入れ口があれば繋ぐだけですが、画面操作しかできない場合は、その部分だけ別の方法が必要になります。発注前に、社内のシステム担当か、入れた業者に確認しておくと見積もりが安定します。

助成金を使う。 賃上げとセットになりますが、厚生労働省の業務改善助成金は、システム開発も対象になります。対象経費の例に「顧客管理情報のシステム化」が明記されています。詳しくは業務改善助成金の対象経費|システム開発は使えるかに書きました。なお、当社は助成金の申請代行は行っていません。

当社の料金

最後に、当社の価格を書いておきます。

初期費用0円の月額制でお受けするのが基本です。作って納めて終わりではなく、稼働してからも直し続ける前提でお預かりします。稼働するまで料金は発生しません。軽微な修正・更新は回数を気にせず月額内で柔軟に対応し、大きな機能追加・改修のみ別途お見積もりします。

この記事に出した120万円の見積もりは、例外です。業務改善助成金は設備投資に対する助成なので、月額の利用料は対象になりません。そのため、月額でお受けした場合のおよそ2年分を、一括の形に組み直しています。

つまり同じ内容でも、

  • 月額でお受けする(初期費用0円。稼働するまで課金なし)
  • 一括でお受けする(助成金や予算の都合がある場合。この記事の見積もり)

どちらの形にもできます。支払いの形をお客様の事情に合わせられるのも、間に会社が入っていないからです。大手に頼むと、契約の型が先に決まっていて動かせないことが多いと思います。

これまで100社以上の中小企業さま・個人事業主さまのシステムを作ってきました。フルスクラッチなので、既製品に業務を合わせる必要はありません。

まとめ

  • 費用は「工数 × 単価」。約8割が人件費です
  • 人月単価はPG40〜80万円、SE中級100〜120万円あたりが目安。人月100万円=1人日5万円
  • 単価の差は、技術より会社の構造の差。中間マージン・営業・オフィスが乗ります
  • 見積書は区分・工数と単価・含まれないもの・保守費・前提条件の5点を見る
  • 安くするなら範囲を切る。単価交渉より効きます

「この見積もりは妥当か」「この範囲だといくらになるか」といったご相談は、お問い合わせからお気軽にどうぞ。範囲をうかがったうえで、先に金額をお伝えします。他社さまの見積もりを見ての second opinion でも構いません。


本記事の相場データは2026年9月時点の公開情報(マイナビTechTus「システム開発の費用・料金相場は?平均や見積もり比較、安くおさえる方法」)を参照しています。当社の見積もり例は実際にお出ししたもので、金額は税別です。

この記事を書いた人

佐藤 駿介

佐藤 駿介

Shunsuke Sato

代表 / Founder & Developer, 合同会社SAi

中小企業のAI・業務自動化を専門とする開発者。営業マンや下請けを介さず、ヒアリングから開発・運用まで一貫して直接対応。「月額1万円から始められる、本当に必要なAIだけ」をモットーに、フルスクラッチ開発を中小企業の手の届く価格で提供している。

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