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年末年始の集客|既存のお客様を呼び戻す施策とクリスマス企画の作り方

公開: 2025/12/02 / 最終更新: 2026/09/22 / By 佐藤 駿介
読了時間: 約12分
約5,929文字

結論(要点)

年末年始は、新しいお客様を探すより、すでに来てくれている方にもう一度来てもらう施策のほうが手間も費用も小さい。リクルートの美容センサス2026年上期では、女性の美容室の利用は年4.18回(およそ87日に1回)、男性は年5.05回(およそ72日に1回)。12月に来店した方の次の来店は、何もしなければ3月ごろになるので、1〜2月の空きを埋めるには、12月の会計時に次回の予約か期限つきの特典を渡しておくのが効く。連絡手段はLINE公式アカウントが向いており、LINEヤフーの公表では届いたメッセージの約80%がその日のうちに開封される。クリスマス・年末の企画は11月上旬に決め、11月下旬から告知、12月上旬に開始が目安。来店を条件にしたくじ・ガチャは景品表示法の一般懸賞にあたり、景品の最高額は取引価額の20倍(上限10万円)、総額は売上予定総額の2%まで。

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年末は予約でいっぱいなのに、年が明けると席が空く。店舗やサロンで毎年くり返される悩みです。

年末年始に力を入れるなら、新規のお客様の獲得より、すでに来てくれている方にもう一度来てもらうことです。新規の方には広告費や初回割引がかかりますが、来てくれたことのある方にはLINEやはがきで直接連絡でき、費用がほとんどかかりません。

この記事では、12月のうちに次の来店の理由を渡す施策と、クリスマス・年末の企画の組み立て方、告知の時期、景品表示法で気をつける点をまとめます。

なぜ年末年始は、既存のお客様に向くのか

費用が違う

「新規の獲得には、既存のお客様の5倍のコストがかかる」という数字がよく引用されます。出どころのはっきりしない経験則ですが、方向は実感と合います。新規の方には広告費・予約サイトの掲載料・初回割引がかかり、来てくれたことのある方にはLINEの配信費くらいしかかかりません。自店の広告費を新規の来店数で割ってみると、差が確かめられます。

12月に来た人は、何もしなければ次は3月

リクルートの美容センサス2026年上期では、女性の美容室の利用は年4.18回(およそ87日に1回)、男性は年5.05回(およそ72日に1回)。12月に来店した方は、何もしなければ次は3月ごろです。1〜2月の空きを埋めるには、12月のうちに次の来店の理由を渡しておく必要があります。

年末年始の来店は、忘年会の前や帰省の前など「用事があって来た」ことが多く、お店の記憶に残りにくいという事情もあります。だからこそ、帰り際の一言と、その後の連絡が効きます。

12月にやる施策

1. 会計のときに、次の予約を取る

一番手間が少なく、一番効く方法です。「1月のご予約も承れますが、いかがですか」と一言かける。次回の目安の時期(トリートメントなら1か月後、カットなら2か月後)を伝えて、その場で予約を取ります。次回予約の特典を付けるなら、割引より「ヘッドスパ15分」「トリートメントの体験」のような、原価の決まった付加メニューのほうが利益を削りません。

2. 期限つきの特典を渡す

次回予約が取れなかった方には、2月末までの期限つきの特典を渡します。1月は閑散期になりやすいので、この時期の来店を作るためです。紙は財布に入れておいてもらえる、LINEは期限が近づいたときに知らせられる、という違いがあるので、できれば両方を使います。

3. LINE公式アカウントで、年末の空きを知らせる

LINEヤフーの公表では、LINE公式アカウントから届いたメッセージは、約80%がその日のうちに開封されます。年末の空き状況のように、すぐ伝えたい内容に向いています。

配信は3回が目安です。

時期内容
11月下旬〜12月上旬年内の予約の案内(希望日が埋まる前に)
12月中旬年末年始の営業日の案内
年明けの営業開始日新年のあいさつと、1〜2月の特典の案内

送りすぎるとブロックされるので、月2〜3通にとどめます。年末年始の営業日の書き方は年末年始の営業時間・休業告知の伝え方に、配信の組み方はサロンのLINE公式アカウント活用術にまとめています。

配信の文面の例です。

【年末のご予約はお早めに】

いつもご利用ありがとうございます。
年末は毎年ご予約が集中し、ご希望の日時が取れないことがあります。

12月○日までにご予約いただいた方には、
1〜2月に使えるヘッドスパ15分のチケットをお渡しします。

▼ご予約はこちら
[予約リンク]

年末年始の営業
12/30まで通常営業/12/31〜1/3 休業/1/4より通常営業

4. 常連のお客様には、個別に連絡する

来店回数や年間の利用額が多いお客様は、売上の大きな部分を支えています。自店の顧客データで、上位2割の方が売上の何割を占めているかを一度確かめてみてください。この層には一斉配信ではなく、「今年も○○様にご利用いただきありがとうございました」と個別のメッセージを送り、年末の予約枠を先に案内します。年内最後の来店時に、ヘアオイルのサンプルのような実用的な小さなプレゼントを渡すのも、記憶に残ります。

5. 来店後の連絡を、自動で回す

年末年始に来た方を一度きりで終わらせないための連絡です。来店当日に次回予約の提案とLINEの友だち追加、3日後にお礼、1か月後に次回の目安と特典の期限、という流れを決めておきます。LINE公式アカウントのステップ配信を使えば、「来店から○日後に送る」を一度設定するだけで、あとは自動で回ります。

6. 紹介を頼む

年末年始は忘年会や帰省で、お客様が人と会う機会が増えます。施術のあと、仕上がりに満足しているときに「ご家族やお友達で興味のある方がいれば」と一言添えます。紹介した方と紹介された方の両方に特典があると、頼みやすくなります。

7. 来店の理由になる「仕掛け」を置く

割引を増やさずに来店を作る方法として、来店するとLINEで引けるくじ・ガチャがあります。「今日は何が当たるか」が来店の理由になり、景品の原価は当選確率と月の上限で先に決められるので、割引のように利益を削りません。

当社のリピガチャ(月額2,980円・初期費用0円)は、お店のLINE公式アカウントの中で来店ガチャとデジタル会員証が動く仕組みです。一部店舗の実測(2026年5〜9月)では、LINE会員の71%がガチャを引き、そのうち42%が2週以上続けて引いていました。年末に友だち追加してもらい、1〜2月の来店の理由にする使い方ができます。製品ページに画面と料金があります。

クリスマス・年末の企画の作り方

12月はボーナス、クリスマス、年末の区切りが重なり、普段より高単価のメニューも受け入れられやすい時期です。企画を組むときの手順です。

決めることは4つ

  1. 誰に:新規か、既存か、しばらく来ていない方か。1つに絞ります
  2. 何を:対象のメニューと特典。割引なら原価から逆算して上限を決める。付加メニューなら原価の決まったものにする
  3. いつまで:開始日と終了日。年末の企画は12/25まで、年始の企画は2月末まで、のように区切る
  4. どう知らせるか:LINE、Instagram、店頭の掲示。予約制の店は開始の2〜3週間前から告知を始める

業種別の企画の例

業種企画の例期間の目安
美容室クリスマスまでにカット+トリートメント/年始のヘッドスパ回数券12/1〜12/24/12/15〜1/15
エステ・リラクゼーション乾燥対策のフェイシャル/1年の疲れをとる長めのコース12月全体/12/1〜12/25
飲食店忘年会・新年会のコース/クリスマスの予約制ディナー/テイクアウトの予約販売12/1〜12/28/12/23〜25
整体年末の疲労回復コース/新年の体のリセット12月全体/1月

「クリスマスまでに」「年内に」という期限が自然にあるので、○○までに、という言い方が一番伝わります。

準備の時期

時期やること
11月上旬企画を決める。特典の原価と上限を決める
11月中旬店頭の掲示、LINEの文面を作る
11月下旬告知を始める。スタッフに内容を共有する
12月上旬開始。初日の反応を見る
12月中旬「残り○枠」の追加の告知
1月上旬結果を記録する(売上・来店数・特典の利用数を前年12月と比べる)

年内の予約は12月中旬までに埋まることが多いので、告知が12月に入ってからだと間に合いません。

景品表示法で気をつけること

抽選やプレゼントを付けるときは、消費者庁が定める上限を確認します。

企画の形区分上限
購入・来店した人の中から抽選一般懸賞最高額は取引価額の20倍(取引価額5,000円以上は10万円)。総額は売上予定総額の2%
商店街などが共同で行う抽選共同懸賞最高額30万円。総額は売上予定総額の3%
購入・来店した人全員にプレゼント総付景品取引価額1,000円未満は200円、1,000円以上は取引価額の10分の2
購入や来店を条件にしない抽選(SNSのフォロー&リポストなど)オープン懸賞金額の上限なし

ドリンク1杯やトリートメントの体験のような小さな景品なら、一般懸賞の範囲に収まります。「通常価格の○%オフ」と表示する場合は、比べる通常価格が、最近相当の期間に実際に売っていた価格であることが必要です。

割引の率を決めるときは、値上げのお知らせ例文にも書いたとおり、割引と値上げを同時に出さないことにも気をつけてください。

終わったら、記録する

企画は、やって終わりにすると来年また一から考えることになります。売上、来店数、新規の数、特典の配布数と利用数を、前年12月と並べて残しておきます。目標の数字は業界の平均ではなく、自店の前年の実績を基準に決めます。

まとめ

  • 年末年始は既存のお客様に向ける。費用がほとんどかからない
  • 12月に来た人は、何もしなければ次は3月。会計のときに次の予約か、2月末までの特典を渡す
  • LINEの配信は年内の予約案内・営業日の案内・年明けのあいさつの3回。月2〜3通まで
  • クリスマス・年末の企画は11月上旬に決め、11月下旬から告知。誰に・何を・いつまで・どう知らせるかの4つを決める
  • くじ・ガチャは景品表示法の一般懸賞。最高額は取引価額の20倍、総額は売上予定総額の2%
  • 割引を増やさず来店を作るなら、原価を先に決められる仕掛けを置く

よくある質問

Q. 年末年始の集客は、新規と既存のどちらに力を入れるべきですか?

A. 既存のお客様です。新規の方には広告費や初回割引がかかりますが、来てくれたことのある方にはLINEやはがきで直接連絡でき、費用がほとんどかかりません。「新規の獲得には5倍のコストがかかる」という数字はよく引用されますが、出どころのはっきりしない経験則なので、自店の広告費と来店数で確かめるのが確実です。

Q. 12月に来店したお客様に、1〜2月も来てもらうにはどうすればいいですか?

A. 12月の会計のときに、次回の予約を取るか、1〜2月に使える期限つきの特典を渡します。美容センサス2026年上期では、女性の美容室の利用は年4.18回、およそ87日に1回です。何もしなければ次の来店は3月ごろになるので、間にトリートメントやヘッドスパなどの短いメニューを提案して、来店の理由を作ります。

Q. クリスマスや年末の企画は、いつから準備すればいいですか?

A. 11月上旬に企画を固め、11月下旬から告知、12月上旬に開始するのが目安です。年内の予約は12月中旬までに埋まることが多いので、告知が12月に入ってからだと間に合いません。

Q. 来店時のくじ引きやガチャに、景品の上限はありますか?

A. あります。来店や購入を条件にした抽選は、景品表示法の「一般懸賞」にあたります。景品の最高額は取引価額の20倍(取引価額が5,000円以上なら10万円)、景品の総額は懸賞に係る売上予定総額の2%までです。購入者全員に渡すプレゼントは「総付景品」で、取引価額1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2までです。ドリンク1杯やトリートメントの体験など、小さな景品ならこの範囲に収まります。

Q. SNSのフォロー&リポストで応募する企画にも、景品の上限はありますか?

A. 購入や来店を条件にせず、フォローと投稿だけで誰でも応募できる企画は「オープン懸賞」にあたり、景品の金額に上限はありません。ただし、来店して受け取ることを条件にすると扱いが変わることがあるので、受け取り方まで含めて設計してください。

Q. 年末のLINE配信は、いつ送ればいいですか?

A. 年内の予約の案内は11月下旬〜12月上旬、年末年始の営業日の案内は12月中旬、新年のあいさつと1〜2月の特典の案内は年明けの営業開始日、の3回が目安です。送りすぎるとブロックされるので、月2〜3通にとどめます。

参考にした資料

この記事の内容を、仕組みにするなら

当社が作って運用している、店舗向けのツールです。申し込みはそれぞれのページから。

この記事を書いた人

佐藤 駿介

佐藤 駿介

Shunsuke Sato

代表 / Founder & Developer, 合同会社SAi

中小企業のAI・業務自動化を専門とする開発者。営業マンや下請けを介さず、ヒアリングから開発・運用まで一貫して直接対応。「月額1万円から始められる、本当に必要なAIだけ」をモットーに、フルスクラッチ開発を中小企業の手の届く価格で提供している。

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