「広告を出しても新規のお客様が増えない」「初回は来てくれるけれど、2回目以降が続かない」。エステサロンの経営者から、いちばんよく聞く悩みです。
矢野経済研究所の調査(2026年5月発表)によると、国内のエステティックサロン市場は2025年度の見込みで2,797億円(前年度比92.1%)。6年続けての縮小で、脱毛サロンの大量閉店が響きました。2026年度は2,803億円と、ほぼ横ばいの予測です。市場が縮むなかでは、新しいお客様を取り合うよりも、来てくれた方に続けてもらう仕組みが経営を支えます。
この記事では、新規の集客から2回目以降の来店まで、エステサロンでできる13の方法を、順番と注意点つきでまとめます。
結論:3段階に分けて、「続けてもらう」から先に作る
集客は「知ってもらう→来てもらう→続けてもらう」の3段階で考えると、やることが決まります。
- 知ってもらう:Instagram、Googleマップ、予約サイトで見つけてもらう
- 来てもらう:初回の予約まで進んでもらう
- 続けてもらう:LINEでつながり、次の来店の理由を作る
多くの店が、1にお金をかけて、3を後回しにしています。新規のお客様には広告費や初回割引がかかりますが、2回目以降の来店にはほとんどかかりません。先に3の仕組みを作ってから1に費用をかけたほうが、同じ広告費で残る売上が増えます。
知ってもらう:オンラインの7つ
1. Instagram
施術の結果を写真と動画で見せられるので、エステと相性がいい媒体です。
投稿するもの:
- 仕上がりの写真(お客様の同意を得たもの)
- 施術の様子を30秒ほどの短い動画に
- お客様の声
- 店内の雰囲気と清潔感が伝わる写真
- スタッフの人柄が分かる投稿
運用の決まりごと:
- 投稿は週3〜5回、ストーリーズは毎日
- ハッシュタグは「地域名+施術名」(例:#渋谷フェイシャル)を中心に
- プロフィールに予約の入口(LINEか予約サイト)を必ず置く
- インサイトで反応の良かった投稿を見て、同じ型を増やす
毎回の投稿文を考えるのが負担なら、SNS自動投稿のデモで、投稿文の作成から予約配信までの流れを試せます。
2. Googleビジネスプロフィール(MEO)
「〇〇駅 エステ」「〇〇市 フェイシャル」で検索したとき、地図と一緒に出る3件に入るための施策です。登録も運用も無料です。
- 基本情報(住所・電話・営業時間・サービス)をすべて埋める
- 写真を20枚以上(外観・内観・施術・スタッフ)
- クチコミには全件返信する(Googleも公式ヘルプで返信を勧めています)
- 投稿の機能で、週1回を目安に情報を出す
- 「サービス」の欄にメニューを1つずつ登録する
クチコミと引き換えに割引や特典を渡すことは、Googleのポリシーで禁止されています。設定の手順と口コミの集め方はサロンのMEO対策にまとめました。投稿が続かない店には、AIが投稿文を作って予約投稿するMEOポスト(月額2,480円(税別)〜)があります。
3. ホットペッパービューティー
エステの新規集客で、いまも最も使われている予約サイトです。掲載費はプランで変わります。
- クーポンは「初回50%OFF」より「初回6,000円→通常10,000円」のように通常価格を見せる形のほうが、2回目の価格に驚かれにくい
- クチコミには全件返信する。新規のお客様は必ず読んでいます
- 写真はメニュー・施術・店内を合わせて20枚以上
- ブログは更新を止めない
掲載費をかけるなら、「予約サイト経由の新規が、何人2回目に来たか」を毎月数えます。初回だけで終わる人ばかりなら、クーポンの設計を見直します。
4. LINE公式アカウント
新規を集める道具というより、続けてもらうための道具です。LINEヤフーの公表では、LINE公式アカウントから届いたメッセージは約80%がその日のうちに開封されます。
- 来店後24時間以内に、お礼のメッセージを自動で送る
- 月1〜2回、季節のメニューやキャンペーンを案内する
- 誕生日にクーポンを送る
- 予約の前日にリマインドを送る(無断キャンセルが減る)
- 1対1のトークで、肌の相談を受ける
配信の頻度や料金の考え方はサロンのLINE公式アカウントの使い方に書きました。
5. ホームページ
「エステサロン+地域名」で検索した人が最後に確かめる場所です。InstagramやGoogleマップで見つけた人の受け皿になります。
最低限あるページ:
- トップ(店の得意なことと雰囲気)
- メニューと料金
- スタッフ紹介(顔写真つき)
- アクセス(地図・駐車場)
- お客様の声
まだ持っていないなら、初期費用0円・月額1,650円からのホームページ制作もあります。
6. TikTok
10〜30代が対象なら、試す価値があります。フォロワーが0人でも「おすすめ」に出ることがあり、施術の前後を見せる短い動画が向いています。
7. Web広告(Instagram広告・Google広告)
すぐに結果が欲しいときの手段です。Instagram広告は地域・年齢・関心で絞って出せ、少額から始められます。Google広告は「〇〇市 エステ」のような検索語句に出します。どちらも、かけた金額と予約数を毎月記録して、続けるかを決めます。
来てもらう:店の外の4つ
8. 紹介
いまのお客様からの紹介は、来店した人の成約率がいちばん高い方法です。
- 紹介した方:次回の施術を1,000〜2,000円引き
- 紹介された方:初回の特別価格
- 施術後に紹介カードを渡す
- 紹介で来店した人数を、毎月記録する
9. チラシ・ポスティング
40代以上には、いまも効く方法です。
- 配る範囲は店から半径1〜2km
- 反応は配った枚数に対してごくわずか。枚数と問い合わせ数を記録して、続けるかを判断する
- 予約ページへのQRコードを必ず載せる
10. 地域のイベント・マルシェ
ハンドマッサージや肌診断のような短い体験メニューを出し、名刺とLINEの友だち追加で店への入口を作ります。
11. 近くの店との提携
美容室、ネイルサロン、ヨガスタジオなど、客層が近い店と、チラシを置き合う、紹介特典を設ける、といった形で組みます。
続けてもらう:2つ
12. 初回カウンセリング
2回目が続くかどうかは、初回のカウンセリングでほぼ決まります。
必ず聞くこと:
- 悩みと、どうなりたいか
- 過去のエステの経験(良かった点・不満だった点)
- 生活習慣(食事・睡眠・運動)
- 予算と、通える頻度
施術の計画は「3か月後にどこまで目指すか」で提案し、そのために何回来るかを具体的に伝えます。効果を保証するような言い方は避けます。
13. 会員制度・回数券・来店の楽しみ
続けてもらう仕組みは、割引だけではありません。
- 回数券:5回分の料金で6回
- 月額制:月1回の施術+ホームケア用品
- 来店の楽しみ:来店するとLINEで引けるガチャのように、「今日は何が当たるか」で来店の理由を作る
割引は使われた分だけ利益が減りますが、ガチャは景品の当選確率と月の上限を先に決められるので、原価を先に固定できます。当社のリピガチャ(月額2,980円・初期費用0円)は、お店のLINE公式アカウントの中で動く来店ガチャとデジタル会員証です。一部店舗の実測(2026年5〜9月)では、LINE会員の71%がガチャを引き、42%が2週以上続けて引いていました。
回数券・コースを売る前に(特定商取引法)
期間が1か月を超え、総額が5万円を超えるエステの契約は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」にあたります。概要書面と契約書面の交付、8日間のクーリング・オフ、中途解約への対応が義務です。中途解約でお店が請求できる上限は、施術の開始前は2万円、開始後は「2万円か契約残額の10%の低いほう」に提供済みの施術の対価を足した額です。都度払いのメニューも用意しておくと、初めての方が選びやすくなります。
効果の測り方
施策の効果は、感覚ではなく数字で見ます。
| 指標 | 計算の仕方 |
|---|---|
| 新規来店数 | 予約システムで数える |
| リピート率 | 2回目に来た人数 ÷ 初回に来た人数 |
| 客単価 | 月の売上 ÷ 客数 |
| 紹介率 | 紹介で来た人数 ÷ 全来店数 |
目標の数字は、業界の平均ではなく、自店の先月・前年と比べて決めます。月1回この数字を見て、効果の低い施策は止め、効いている施策に費用を寄せます。
まとめ
- 集客は「知ってもらう→来てもらう→続けてもらう」の3段階。続けてもらう仕組みを先に作る
- 知ってもらうのはInstagram・Googleマップ・予約サイトの3つから
- 続けてもらうのはLINE公式アカウント。来店後のお礼、リマインド、来店の楽しみ
- 市場は6年続けて縮小。新規の取り合いより、リピートを優先する
- 回数券・コースは特定商取引法の決まりを確認してから
- 効果は必ず数字で測り、月1回見直す
すべてを同時にやる必要はありません。まずInstagram・Googleマップ・LINEの3つを回してから、余裕ができた分を他に足してください。業種を問わない来店の作り方は来店促進の施策10選にまとめています。
よくある質問
Q. エステサロンの市場は、伸びていますか?
A. 縮小しています。矢野経済研究所の調査(2026年5月発表)では、2025年度の市場規模は見込みで2,797億円、前年度比92.1%で、6年続けてのマイナスでした。女性向けの施術市場は1,688億円(前年度比88.2%)で、脱毛サロンの大量閉店が主な原因です。男性向けは美顔や痩身が伸びています。2026年度は2,803億円(100.2%)とほぼ横ばいの予測です。
Q. エステの回数券やコースを売るとき、法律上の決まりはありますか?
A. あります。期間が1か月を超え、総額が5万円を超えるエステの契約は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」です。概要書面と契約書面の交付、書面を受け取った日から8日間のクーリング・オフ、中途解約への対応が義務になります。中途解約でお店が請求できる上限は、施術の開始前は2万円、開始後は「2万円か契約残額の10%の低いほう」に提供済みの施術の対価を足した額です。
Q. クチコミを書いてくれた方に、割引をしてもいいですか?
A. できません。Googleは、クチコミの投稿と引き換えに割引や無料サービスなどの特典を渡すことを禁止しています。良いクチコミだけを選んでお願いすることも禁止です。お願いするなら、特典なしで、来店した方全員に同じようにお声がけします。
Q. エステサロンの集客は、何から始めればいいですか?
A. Googleビジネスプロフィール(無料)の情報を埋めること、Instagramで施術の内容と人柄が分かる投稿を続けること、LINE公式アカウントで来店後の連絡を取れるようにすること、の3つからです。広告や予約サイトの有料プランは、この3つが回り始めてから、かけた費用と来店数を記録しながら足します。


