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合同会社SAiAI & SOFTWARE DEVELOPMENT

AI-OCR比較8選+2|FAX・手書きで失敗しない選び方

結論(要点)

  • AI-OCRの失敗は読み取り精度より、読んだあとの確認と入力が手作業のまま残ること。選ぶ前に「読んだデータをどこへ入れるか」を決める
  • 料金は1枚・1項目・月の枚数のどれで数えるかが製品ごとに違う。自社の月の枚数で年額に直して比べる
  • 製品を別々にそろえるか、読み取りから今のソフトへの入力までを1つの仕組みとして作ってもらうかで、向く会社が分かれる
この記事の目次

「AI-OCRを試したが、手書きの数字を読み違えるので結局全部目で見ている」 「読み取ったデータをCSVにしたあと、販売管理ソフトへの入力は人がやっている」 「製品が多すぎて、月に数百枚のうちの規模で何を選べばいいのか分からない」

FAXや手書きの伝票を扱う卸・製造・建設の会社から、こういう相談をよく受けます。AI-OCRの失敗は、読み取り精度そのものより、読んだあとの確認と入力が手作業のまま残ることで起きます。だからこの記事では、精度の数字の前に「読んだデータを、どこへ、誰が入れるのか」で選び方を分けます。

比較するのは国産のAI-OCR 8製品と、クラウドのOCR API 2つ。料金はすべて2026年11月に各社の公式サイトで確認した記載です(表記は各社に合わせ、変更されることがあります。公式に料金の記載がないものは「要問い合わせ」としました)。最後に、読み取りから今のソフトへの入力までを1つの仕組みとして作ってもらう、という選択肢も紹介します。

結論:AI-OCRは「読んだあと」で決まる

会社の状況合う製品費用の目安(税別・公式の記載)
月に数百枚。手書きや取引先ごとに違う様式を読みたいSmartRead、LINE WORKS PaperOn、Flax Scanner HUB、スマートOCR、AIRead on Cloud月1.2万〜3万円〜(初期費用0〜20万円)
月に数千枚以上。基幹システムとつなぎ、社内で設定を続けられるDX Suite、SVF Archiver、AnyForm OCR月3.5万〜4万円〜、または要問い合わせ
開発者がいて、自社の仕組みに組み込みたいGoogle Document AI、Azure AI Document Intelligence1,000ページあたり1.5ドル(OCR)
読み取ったあとの入力を続ける人がいない読み取りから今のソフトへの入力までを作ってもらう(自社開発)初期0円・月額1万円〜

OCRとAI-OCRの違いを先に整理します。従来のOCRは活字を決まった位置から読むもので、AI-OCRは手書きや、レイアウトが毎回違う書類(非定型帳票)も学習したモデルで読みます。ただし、どの製品も読み取りは100%にはなりません。違いが出るのは、読めなかった行をどう扱うかと、読んだデータがそのまま次の仕事に流れるかです。

AI-OCRを選ぶ4つの軸

軸1:読んだデータの行き先

CSVを出して終わりなのか、販売管理ソフト・会計ソフト・Excelに入るところまでなのか。ここが決まっていないと、読み取りの精度がいくら高くても人の入力が残ります。行き先のソフトにAPI(外からつなぐ口)やCSVの取り込み口があるか、なければ画面の操作を自動で行うRPAが要るか、を先に確かめます。

軸2:料金の単位

1枚いくらの製品、1項目(読み取る欄)いくらの製品、月の枚数で段が決まる製品があります。注文書1枚に品名・数量・単価が10行あれば、1項目単位の製品では1枚で30項目以上になります。自社の月の枚数と1枚あたりの項目数で、年額に直して比べます。

軸3:手書きと非定型

活字の請求書だけなら多くの製品で足ります。手書きの注文書や、取引先ごとに様式が違う書類なら、手書き対応と非定型帳票対応が公式に明記されている製品に絞ります。それでも、走り書きや薄い鉛筆は読み違えるので、自信のない行に印が付く仕組みがあるかを見ます。

軸4:自社で設定し続けられるか

読み取りの枠の設定、取引先ごとの様式の登録、行き先のソフトの画面が変わったときの直し。これを自社で続けられる人がいるかどうかで、製品を買うか、作ってもらうかが分かれます。

AI-OCR 比較表(料金)

公式サイトの記載をそのまま載せています(2026年11月確認・税別。LINE WORKSは年額契約の月額、AIReadは税抜の金額)。数え方が製品ごとに違うので、月額の大小だけで比べないでください。

製品(提供会社)初期費用月額数え方・含まれる量契約
SmartRead(Cogent Labs)0円年36万円(月3万円換算)〜1項目2円。約1.8万枚(10項目の定型で)1年
LINE WORKS PaperOn(LINE WORKS)記載なし3万円〜(年額契約)読み取り800回/月。月額契約は3.6万円年額・月額
Flax Scanner HUB(シナモン)20万円3万円〜最低 月1,000ページ月額(3か月以上)
スマートOCR(インフォディオ)10万円3万円〜3ユーザー・300枚まで最低3か月
AIRead on Cloud(アライズイノベーション)登録料20万円1.2万円〜読取枚数100枚/月〜のコース制月・年
DX Suite(AI inside)Lite 0円/Standard 20万円Lite 4万円〜/Standard 10万円〜月の無料枠1.8万円分〜。項目単価 Lite 3円、全文読取 1枚10円年間契約・月額請求
SVF Archiver(ウイングアーク1st)クラウド20万円/オンプレ0円3.5万円(10ユーザーから)画像枚数の単価は公式ページに記載なし年間契約
AnyForm OCR(ハンモック)要問い合わせ要問い合わせ年間サブスクか買い切り。保守は製品価格の15%/年要問い合わせ
Google Document AIなし従量OCR 1,000ページ1.5ドル。最初の1,000件は無料従量
Azure AI Document Intelligenceなし従量Read 1,000ページ1.5ドル。無料枠 月500ページ従量

AI-OCR 比較表(手書き・非定型・連携)

製品手書き非定型帳票連携(公式に名前のあるもの)無料トライアル
SmartRead対応対応(自動仕分けあり)UiPath・BizRobo!・WinActorのコネクタ、APIあり(500枚まで)
LINE WORKS PaperOn対応(FAX文字・訂正印も)スタンダード以上API、CSV、LINE WORKS30日(200回)
Flax Scanner HUB対応対応(テンプレート不要)API14日
スマートOCR対応対応API(JSON)、Salesforce5日(100枚)
AIRead on Cloud対応対応(AI読取・定義レス)Wagby・Waha! Transformer・ERP各種(RPA名の記載なし)1か月
DX Suite対応対応(項目抽出)API(無償・連携は自社で実装)、CSVなし(有償トライアルのみ)
SVF Archiver対応(エンジン5種)対応(生成AI)UiPath、API、Salesforce・SAP・Boxなどのアダプターあり
AnyForm OCR対応(自社AIエンジン標準)対応(注文書・可変明細)UiPath・Autoジョブ名人・AutoMate、FAXサーバー無償評価(帳票1種類)
Google Document AI日本語の手書きに対応Form Parser・Custom Extractor自社で開発最初の1,000件
Azure AI Document Intelligence日本語の手書きに対応Layout・Custom自社で開発月500ページ

各製品の特徴

1. SmartRead(株式会社Cogent Labs)

手書きの読み取りで知られたTegakiの後継で、Cogent Labsの現行の主力です。料金は年額で、スモールが年36万円(月3万円換算)・初期費用0円。1項目2円で、10項目の定型書類なら約1.8万枚が目安と公式に書かれています。UiPath・BizRobo!・WinActorのコネクタが無償で用意されているので、読み取ったあとをRPAで流す構成が組みやすい製品です。契約は1年単位で、無償トライアルは500枚までです。

  • 向く会社:手書きが多く、RPAで次の仕事につなぎたい。年単位で使う量が読める
  • 注意:年額払い。月の量が読めない会社は、1年分の見込みを先に出す

2. LINE WORKS PaperOn(LINE WORKS株式会社)

旧CLOVA OCRの流れをくむ、LINE WORKSの書類データ化製品です(2025年10月提供開始)。ライトが月3万円(年額契約。月額契約は3.6万円)で読み取り800回、スタンダードが月5万円で2,000回。手書きのほか、FAX文字・訂正印・二重線の入った文字にも対応すると公式に書かれています。自由形式の注文書など非定型は、FAQによるとスタンダード以上です。LINE WORKSの契約がなくても使えます。

  • 向く会社:FAXの注文書を月1,000枚前後読みたい。初期費用を抑えたい
  • 注意:読み取りは「回数」で数える。超過は回数の追加オプション(月2万円〜)

3. Flax Scanner HUB(株式会社シナモン)

テンプレート不要で非定型帳票を読む、と打ち出している製品です。Starterが初期費用20万円・月3万円〜で、最低月1,000ページ、月額契約(3か月以上)。Basicは初期50万円〜・月2.5万円〜で年額契約。APIは全プランで使えます。無料トライアルは14日です。

  • 向く会社:取引先ごとに様式が違い、設定の手間をかけたくない
  • 注意:ページ単価は公式に記載がなく、導入要件で個別見積

4. スマートOCR(株式会社インフォディオ)

SDクラウドが初期費用10万円・月3万円〜(3ユーザー・300枚まで)、最低3か月。専用クラウドは初期100万円〜・年480万円〜です。手書きの漢字・ひらがな・カタカナ・数字と非定型帳票に対応し、APIはJSONで返します。5日間・100枚までの0円トライアルがあり、導入前のサンプル帳票の検証は無償です。

  • 向く会社:まず小さく試して、合えば専用環境に移したい
  • 注意:300枚を超えたときの単価は公式ページに記載なし。税別・税込の表記も料金ページにはない

5. AIRead on Cloud(アライズイノベーション株式会社)

クラウド版は登録料20万円(税抜)・月1.2万円(税抜)〜で、読取枚数100枚/月からのコース制です。オンプレのサーバー版は月12万円(税抜)〜、買い切りは240万円(税抜)〜。クラウド版だけ「AI読取」「定義レス」があり、レイアウトが変わっても1つの設定で読めるとしています。1か月の無料体験があります。

  • 向く会社:月100枚程度から始めたい。自治体向けのLGWAN版もある
  • 注意:1枚あたりの単価やコース別の価格は資料請求。公式ページにAPIの記載がない

6. DX Suite(AI inside株式会社)

Liteが月4万円〜・初期費用0円、Standardが月10万円〜・初期費用20万円、Proが月20万円〜。月額に応じた無料枠(Liteは1.8万円分)があり、超えた分は項目やトークンで課金されます。項目単価はLiteで3円、全文読取は1枚10円。APIは無償で、ただし連携の開発は利用者側で行う、と公式FAQにあります。無料トライアルはなく、有償トライアル(4万円〜、1か月サポート付きは20万円)です。

  • 向く会社:月数千枚以上で、基幹システムとつなぐ開発体制がある
  • 注意:契約は年間・月額請求。試すだけでも費用がかかる

7. SVF Archiver(ウイングアーク1st株式会社)

2026年4月に「invoiceAgent AI OCR」「invoiceAgent 文書管理」から名称が変わった製品です。Entryプランはクラウドが初期費用20万円・月3.5万円、オンプレが初期費用0円・月3.5万円(いずれも10ユーザーから・年間契約)。OCRエンジンを5種類(ABBYY、SmartRead、自社エンジン、LINE WORKS OCR、生成AI)持ち、複数の結果を突き合わせる機能があります。UiPathとの連携や、Salesforce・SAP・Boxなどのアダプターも公式にあります。

  • 向く会社:文書の保管まで含めて、社内システムと広くつなぎたい
  • 注意:AI-OCRの画像枚数と超過単価は公式ページに記載がなく、価格表はフォーム経由

8. AnyForm OCR(株式会社ハンモック)

オンプレミスのパッケージで、デスクトップPC1台から使えます。料金は公式サイトに記載がなく要問い合わせで、年間サブスクと買い切りの2種類、保守は製品価格の15%/年。自社開発の手書きAIエンジンを標準で持ち、非定型の注文書や行数が毎回違う明細に対応。UiPath・Autoジョブ名人・AutoMateのRPAと、FAXサーバー(OpenText、まいと〜く)との連携が公式にあります。無償評価は、帳票1種類をハンモック側で読み取って結果を返す形です。

  • 向く会社:インターネットに出せない書類を社内で読みたい。FAXサーバーと直結したい
  • 注意:料金は要問い合わせ。公式ページにAPIの記載がない

+1. Google Document AI

OCRは1,000ページあたり1.5ドルで、最初の1,000件は無料(毎月の枠かは公式の表に明記なし)。フォームの項目を抜くForm Parserは1,000ページ30ドル。日本語の手書きは公式の言語表で対応と明記されています。請求書専用のInvoice parserは日本語が対応言語に入っていません。

  • 向く会社:開発者がいて、読み取りを自社の仕組みに組み込む
  • 注意:確認画面や行き先への入力は自分で作る

+2. Azure AI Document Intelligence

Readが1,000ページあたり1.5ドル(100万ページ超は0.6ドル)、レイアウト解析や請求書などのPrebuiltが1,000ページ10ドル、カスタム抽出が30ドル。無料枠は月500ページ(PDFは先頭2ページのみ)。東日本リージョンで使え、日本語の手書きはRead・Layoutの対応言語に入っています。

  • 向く会社:Microsoft 365やPower Automateの環境がある
  • 注意:Googleと同じく、読み取り以外は自分で作る

ケース別おすすめ

困りごとおすすめ理由
FAXの注文書を月数百〜1,000枚。手書きが混ざるLINE WORKS PaperOn、SmartRead手書き・FAX文字に対応と明記。月3万円から
取引先ごとに様式が違う書類が多いFlax Scanner HUB、AIRead on Cloud、SmartReadテンプレート不要・定義レス・自動仕分け
読み取ったあとをUiPathやWinActorで流したいSmartRead、AnyForm OCR、SVF ArchiverRPAのコネクタや連携が公式にある
書類を社外に出せないAnyForm OCR、SmartRead On-Premises、DX Suiteのオンプレ版オンプレで動く
月数千枚以上で基幹システムとつなぐDX Suite、SVF Archiver無料枠と従量、アダプター
開発者がいるGoogle Document AI、Azure AI Document Intelligence1,000ページ1.5ドル
読み取ったあとの入力を続ける人がいない読み取りから入力まで作ってもらう次の節

読み取りだけでは終わらない会社には、「入力まで作る」という選択肢

製品を買う場合、読み取りの設定、行き先のソフトへの入力(RPAやCSV)、様式が変わったときの直しは自社で行います。社内にそれができる人がいれば、製品を買うほうが安く済むことが多いです。

いない場合は、読み取りから今のソフトへの入力までを1つの仕組みとして作り、月額の中で直し続けてもらう形があります。当社の実例では、FAXの注文書を撮影またはスキャンし、OCRとAIで品名・数量・単価を読み、自信のない行だけ人が確かめて、RPAで今の販売管理ソフトの画面に入力しています。

  • 費用:月額1万円(税別)・初期費用0円。サーバー代とAIの利用料はお客様の負担
  • 稼働:複数社で、長いところで2年以上
  • 向かない場合:注文書がかすれたFAXや薄い鉛筆書きばかりで、人が読んでも判別しにくい場合は先に実物で試し、合わなければお断りしています

流れはFAXの注文書を読み取って今のソフトに入力する答えのページの動く見本で触れられ、実例はFAXの注文書をOCRで読み取りRPAで入力した事例にまとめています。

よくある質問

Q. AI-OCRの精度は、どのくらいを期待してよいですか?

活字はほとんどの製品で実用になります。手書きは文字の状態で大きく変わり、公式サイトの精度の数字は各社の条件で測ったものなので、自社の実物の書類で試すのがいちばん確かです。無料トライアルがある製品は、そこで自社の書類2〜3枚を通してみてください。

Q. 月に数十枚でも、AI-OCRを入れる意味はありますか?

読み取りだけなら、手で打ち込んだほうが早いことがあります。意味が出るのは、読み取ったデータが次の仕事(販売管理・会計・Excel)に自動で流れる場合です。枚数が少ない会社ほど、読み取りより「そのあと」を先に決めてください。

Q. FAXをやめないといけませんか?

やめなくて構いません。取引先が変わらない限りFAXは残ります。変えるのは「届いたあと」だけで、FAXを撮影またはスキャンして同じ仕組みに流します。詳しくはFAX受注をデータ化する方法にまとめています。

Q. 製品を買うのと作ってもらうのは、どちらが安いですか?

枚数と、社内に設定を続けられる人がいるかで変わります。製品の月額だけで比べると製品のほうが安く見えますが、読み取りのあとの入力を人が続ける時間を足して比べてください。作ってもらう場合は、入力までを含めた月額で比べます。

Q. クラウドのOCR APIは、自社で使えますか?

GoogleやMicrosoftのOCR APIは、1,000ページ単位の従量料金で、製品より安く読み取れることがあります。ただし、それを使って書類を読み、確認画面を出し、行き先のソフトに入れる部分は自分で作る必要があります。開発者がいる会社か、作ってもらう前提の会社向けです。

まとめ

  • AI-OCRは、読み取り精度より「読んだあと」で選ぶ。データの行き先を先に決める
  • 料金は1枚・1項目・月の段のどれかで数える。自社の枚数で年額に直す
  • 手書き・非定型は公式に対応が明記された製品に絞り、実物で試す
  • 設定を続けられる人がいなければ、読み取りから入力までを作ってもらう形も比べる

参考にした資料(2026年11月1日確認)

各社の料金・仕様は変わることがあります。この記事は掲載料で順番や評価を変えていません。

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この記事を書いた人

佐藤 駿介

佐藤 駿介

Shunsuke Sato

代表 / Founder & Developer, 合同会社SAi

中小企業のAI・業務自動化を専門とする開発者。営業マンや下請けを介さず、ヒアリングから開発・運用まで一貫して直接対応。「月額1万円から始められる、本当に必要なAIだけ」をモットーに、フルスクラッチ開発を中小企業の手の届く価格で提供している。

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