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サロンの紙カルテを電子化する方法|続かない理由と費用

公開: 2026/10/03 / By 佐藤 駿介
読了時間: 約15分
約7,580文字

結論(要点)

サロンの電子カルテが続かない理由は、製品の使いにくさではなく「施術後に入力する」という作業が現場に残ることにある。閉店後にまとめて入力する運用はほぼ崩れ、紙とアプリの二重管理になる。市販の電子カルテ(Bionly、サロンアンサー、カルテナ等)は月額数千円〜で、新規開業や1店舗ならこちらが速くて確実。分かれ目は過去の紙カルテが何百枚あるかと、入力を続けられるか。当社が開発した複数店舗のサロンでは、紙カルテを撮影し施術後の音声メモとあわせて生成AIが読み取り、サロンごとのカルテ項目に振り分けて登録する仕組みにした。取り込み前にスタッフが確認・承認する。紙をやめさせない設計にしたことで、現場の運用を変えずに電子化できた。カルテ約1,700件・写真約1,600枚が蓄積。費用は月額1万〜4万円(税別)。

電子カルテを入れたのに、紙がなくならない。

サロンからいただく相談で、いちばん多い形です。アプリは契約している。スタッフも使い方は分かっている。それでも受付には紙のカルテが積まれたままで、結局どちらも見ることになる。

この記事では、なぜそうなるのかを1つの原因にしぼって説明し、市販の電子カルテで足りる場合と、紙を使い続けたまま電子化する方法を、費用つきで並べます。

結論を先に書きます。続かない理由は製品の使いにくさではなく、「施術のあとに入力する」という作業が現場に残っていることです。

続かないのは、入力が残っているからです

電子カルテを入れても、作業の流れはこうなります。

電子カルテを入れたあとの、1日の流れ 施術する 手が離せない

→

紙にメモ これは速い

→

閉店後に入力し直す ★ ここで止まる

→

電子カルテ 忙しい日に最初に落ちるのが「閉店後の入力」 1日飛ぶと紙を見るしかなくなり、紙とアプリの二重管理に戻る

施術中は手が離せません。だからその場では紙に書きます。これは速いし、現場として正しい。

問題はそのあとです。閉店後にもう一度、同じことをアプリに打ち直す。

この作業は、忙しい日に最初に落ちます。1日飛ぶと、その日のお客様の情報は紙にしかありません。次に見るときは紙を探すことになり、紙とアプリの二重管理に戻ります。

製品を替えても、この構造は変わりません。入力という作業が残っているかぎり、同じことが起きます。

まず、市販の電子カルテで足りるかを確かめてください

いきなり作る話に進む前に、こちらを確認してください。条件が合うなら、市販の製品のほうが速くて確実です。

市販の電子カルテが向く作ることを考えたほうがいい
過去の紙カルテほとんどない(新規開業)何百枚とある
店舗数1店舗複数店舗で様式がばらばら
カルテの項目一般的な項目で足りる自店独自の項目がある
入力スタッフが続けられる何度か試して続かなかった
予約・会計まとめて1つにしたいすでに別で動いている
使い始めたい時期すぐ1か月ほど待てる

サロン向けの電子カルテには、Bionly、サロンアンサー、カルテナ、BeKARTEなどがあります。月額数千円から使えるものが多く、予約や会計と一体になっている製品もあります。

新規開業で、1店舗で、過去の紙がないなら、市販の製品を入れてください。この記事の続きを読む必要はありません。

紙を使い続けたまま電子化する、という方法

左の列に当てはまらなかった場合です。

考え方を逆にします。紙をやめさせるのではなく、紙を書いたまま電子化する。

入力をなくした場合の流れ 紙にメモ いままでどおり

→

撮る スマホで1枚

→

AIが読み取る 項目に振り分け

→

確認して承認 ★ 人がやるのはここだけ 現場のやり方を変えないので、続かなくなる場所がない 施術後の音声メモも、同じように取り込める

スタッフがやることは撮ることと、承認することだけになります。打ち直す作業がなくなるので、落ちる場所がありません。

施術後の音声メモも同じように扱えます。手が濡れていて書けないときは、ひとこと吹き込んでおけば、あとで項目に振り分けられます。

実際に作った例

複数店舗のサロンで、この形を作りました。

  • 紙カルテを撮影し、施術後の音声メモとあわせて生成AIが読み取る
  • サロンごとにカルテの様式を設定できるようにし、項目に振り分ける
  • 取り込む前に、スタッフが確認して承認する
  • 読み取りに自信が持てなかった項目は「要確認」として残し、人の判断に回す

カルテ約1,700件・写真約1,600枚が蓄積されています。費用は月額1万〜4万円(税別)、初期費用は0円です。すでに使っている電子カルテとつなぐ場合は、内容によって個別見積もりになります。

進め方も、いきなり全店ではありません。1サロンの紙カルテで読み取り方を固めてから、複数サロンへの対応と音声メモの取り込みを足しました。

詳しい実装の範囲と、対応できない条件は紙カルテ・音声メモの電子カルテ化の事例に書いています。カルテそのものを一から作った施術管理(電子カルテ)システムの事例もあります。

過去の紙カルテは、どうするか

いま棚にある紙をどうするか、という話も必ず出ます。

全部を電子にする必要はありません。現実的なのはこの順です。

  1. これから書く分を、撮って取り込む流れにする
  2. まだ来ているお客様の分だけ、過去のカルテを取り込む
  3. 何年も来ていないお客様の紙は、そのまま保管しておく

いちどに全部を電子化しようとすると、その作業自体で止まります。来店時に「このお客様はまだ紙だけ」と分かるようにしておけば、来たときに取り込めば済みます。

費用の目安

費用期間
市販の電子カルテ月額数千円〜すぐ
紙カルテの読み取りを作る月額1万〜4万円(税別)・初期0円約1か月
既存の電子カルテとつなぐ個別見積もり内容による

当社の場合、初期費用はいただかず、動き始めた月から課金です。読み取りがうまくいくかは紙の状態によるので、先に実物を数枚お預かりして試します。そこまでは無料です。

気をつけること

読み取りは完璧になりません。手書きの癖、かすれ、独自の略語があると、間違えます。だから承認を挟みます。「全部自動で入ります」と言う会社があれば、そこは疑ってください。

お客様の情報を扱います。どこにデータを置くか、誰が見られるか、AIに何を送るかは、始める前に決めておくべきところです。読み取りに使ったあとの画像をどう扱うかも含みます。

スタッフが撮り忘れたら、入りません。打ち直すよりはるかに軽い作業ですが、ゼロにはなりません。受付に置く・施術台に置くなど、撮る場所を決めておくと定着します。

よくある質問

Q. エステの電子カルテは無料で作れますか?

無料のツールを組み合わせれば、形は作れます。表計算ソフトやメモアプリで項目を決めて記録するだけでも、紙よりは探しやすくなります。ただし、お客様の情報を扱うため、誰が見られるかの管理と、端末が壊れたときの備えは要ります。店舗が複数あったり、スタッフが数名以上いる場合は、月額数千円の製品を使うほうが結果的に安く済みます。

Q. サロンの電子カルテは、どれがおすすめですか?

1店舗で新規開業なら、予約や会計と一体になっている製品が手間が少ないです。Bionly、サロンアンサー、カルテナ、BeKARTEなどがあります。選ぶときは、機能の多さより施術後の入力が何秒で終わるかを見てください。そこが重ければ、どの製品でも続きません。過去の紙カルテが何百枚もある場合や、自店独自の項目がある場合は、製品だけでは解けないことがあります。

Q. 紙カルテを電子化する費用はいくらですか?

市販の電子カルテに切り替えるだけなら月額数千円からです。紙を撮影して読み取る仕組みを作る場合は、当社では月額1万〜4万円(税別)・初期費用0円が目安で、期間は約1か月です。過去のカルテを業者に代行入力してもらう方法もありますが、枚数ぶんの費用がかかり、増え続ける新しいカルテには対応できません。

Q. 電子カルテを入れたのに、紙がなくなりません。なぜですか?

施術のあとに入力する作業が残っているためです。施術中は手が離せないのでその場では紙に書き、閉店後に打ち直すことになります。この打ち直しは忙しい日に最初に落ち、1日飛ぶと紙を見るしかなくなって、二重管理に戻ります。製品を替えても同じことが起きます。入力そのものをなくす形にしないと、解決しません。

Q. いま使っている電子カルテは、やめないといけませんか?

やめなくて構いません。読み取った内容を、いまお使いの電子カルテに登録する形も作れます。ただし、その製品がデータを受け取る口(API など)を用意しているかによります。用意がない場合はCSVでの取り込みになり、その場で反映されなくなります。契約前に、外部からデータを入れられるかを確認しておくと判断が早くなります。

Q. 手書きの字が汚くても読み取れますか?

人が読めるものなら、たいてい読み取れます。ただし、かすれや、お店独自の略語(薬剤名の省略など)は間違えます。だから取り込む前に人が確認する設計にしています。独自の略語は、よく使うものを先に登録しておくと精度が上がります。実際の紙を数枚お預かりすれば、読み取れるかどうかをその場で確かめられます。

まとめ

  • 電子カルテが続かないのは、製品ではなく施術後の入力が残っていることが原因
  • 新規開業・1店舗・過去の紙がないなら、市販の製品が速くて確実
  • 過去の紙が何百枚もある、様式が店ごとに違う、入力が続かなかった、のいずれかなら作ることを検討する
  • 紙をやめさせず、撮って承認するだけにすると落ちる場所がなくなる
  • 過去の紙は全部やらない。まだ来ているお客様の分だけでいい
  • 費用は月額1万〜4万円(税別)・初期0円・約1か月

実際の紙カルテを数枚お預かりすれば、読み取れるかどうかをお見せできます。そこまでは無料です。お問い合わせからご連絡ください。

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この記事を書いた人

佐藤 駿介

佐藤 駿介

Shunsuke Sato

代表 / Founder & Developer, 合同会社SAi

中小企業のAI・業務自動化を専門とする開発者。営業マンや下請けを介さず、ヒアリングから開発・運用まで一貫して直接対応。「月額1万円から始められる、本当に必要なAIだけ」をモットーに、フルスクラッチ開発を中小企業の手の届く価格で提供している。

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