← ブログ一覧へ

ささげ業務とは?外注の相場と、作業を9割減らした実例

公開: 2026/09/24 / By 佐藤 駿介
読了時間: 約10分
約5,170文字

結論(要点)

ささげ業務は「撮影・採寸・原稿」の頭文字。3つのうち撮影は人が要るが、採寸と原稿は仕組みで大きく減らせる。外注の相場は、撮影が1商品1,000〜5,000円(郵送)、採寸が400〜3,000円、原稿が100〜8,000円(ECのミカタ調べ)。専業のささげ屋は最小1回10万円程度から、アパレルの月次で月150万円〜・型単価5,000円〜(月300型)を公開している。判断の分かれ目は点数と頻度で、毎月まとまった数を継続して出すなら仕組みにしたほうが安くなる。当社が開発したアパレル通販の案件では、メーカー資料の寸法をOCRで取り込み、画像加工をまとめて処理し、販売データをもとに生成AIがタイトルと説明文を作る流れにして、イベントに合わせた原稿づくりの作業を約90%削減した。費用は月額35,000円。手をつける順番は、原稿→採寸→画像加工が早い。

こんにちは、合同会社SAiの佐藤です。ECの商品登録まわりのシステムを作っています。

商品を1点ネットに出すために、こんなことをしていないでしょうか。

  • メーカーの資料を見ながら、寸法を1つずつ入力欄に書き写す
  • 画像を1枚ずつ開いて、切り抜き、ラベルを貼り、名前を付け直す
  • タイトルと説明文を考える。セールのたびに、また考え直す

これがいわゆる「ささげ業務」です。点数が増えるほど効いてきて、新商品が出せない原因になります。

この記事では、ささげ業務の中身と外注の相場を整理したうえで、どこを人がやり続け、どこを仕組みに任せるかを書きます。当社が実際に開発した案件の数字も出します。

結論:撮影は人が要る。採寸と原稿は仕組みで減らせる

先に結論です。3つの工程は、自動化のしやすさがまったく違います。

工程中身仕組みに任せられるか
撮影商品を撮る難しい。人とモノと場所が要る
採寸寸法を測って表記する資料に寸法があれば、ほぼ任せられる
原稿タイトル・説明文を書く任せられる。ただし人の確認は残す

撮影だけは、どうやっても人が商品を持って撮る必要があります。一方、採寸と原稿は「情報を移し替える作業」と「文章を組み立てる作業」なので、今の技術で大きく減らせます。

「ささげ業務を全部なくす」と考えると手が止まります。3つのうち2つを減らす、と考えるのが現実的です。

ささげ業務とは「撮影・採寸・原稿」の略

ささげ業務は、EC運営で使われる言葉で、「さ」撮影・「さ」採寸・「げ」原稿の頭文字をとったものです。商品ページに載せる情報を作る工程をまとめて指します。

それぞれの中身は次のとおりです。

撮影

商品の写真を撮り、加工する工程です。1点につき複数カットを用意し、色味を実物に合わせ、スマートフォンで見たときの見え方まで考えます。アパレルではモデル着用のカットが必要になることもあります。

採寸

商品の寸法を測り、表記する工程です。アパレルなら着丈・身幅・肩幅・袖丈など。アパレル以外でも、アクセサリーや小物のパーツサイズが対象になります

ここで見落とされがちなのが、メーカーの資料にすでに寸法が載っているケースです。その場合、実際にやっているのは「測る作業」ではなく「書き写す作業」になります。あとで触れますが、ここが自動化の狙い目です。

原稿

商品名、説明文、素材や質感、商品の背景などを文章にする工程です。検索で見つけてもらうために、ブランド名・品番・色・原産国といった情報を入れ込む作業も含まれます。

外注したときの料金相場

ささげ業務は外注できます。公開されている情報から、相場を整理します。

工程ごとの単価

ECのミカタが公開している相場表では、次のようになっています。

工程相場(1商品あたり)
郵送撮影1,000〜5,000円
スタジオ撮影2,000〜10,000円(1時間 8,000〜20,000円)
出張撮影1時間 10,000〜30,000円
採寸400〜3,000円
原稿作成100〜8,000円

別途、配送料や交通費がかかる場合があります。

まとめて依頼した場合

ささげ業務の専業である株式会社ささげ屋は、自社サイトで金額を公開しています。

  • 最小の依頼は1回10万円程度から
  • アパレル・ファッション雑貨の月次依頼:月150万円〜/型単価の平均5,000円〜(毎月300型程度)
  • スポット・シーズン依頼:40万円〜/型単価8,000円〜(1回50型程度)
  • ジュエリー・高級雑貨:50万円〜/型単価10,000円〜
  • 食品(調理なし):15万円〜/型単価15,000円〜

毎月300型を出す会社なら、年間1,800万円の固定費という計算になります。品質は上がりますが、点数が増えるほど比例して増えていく費用でもあります。

外注が向く会社と、仕組みにすべき会社

どちらが正しいという話ではなく、点数と頻度で決まります

外注が向いている

  • 年に数回、シーズンごとにまとめて出す
  • 撮影の品質がそのまま売上に直結する(アパレル、ジュエリーなど)
  • 社内に人を置くより、必要なときだけ頼むほうが安い

仕組みにしたほうがよい

  • 毎月、継続してまとまった数を出している
  • メーカーから寸法や仕様の資料をもらえている
  • セールやイベントのたびに、既存商品の原稿を書き直している
  • 外注費が「点数 × 単価」で読めてしまい、増やすほど利益が減る

3つめが当てはまる会社は特に多いと思います。新規登録の話だと思われがちですが、実際にはすでに出している商品の原稿を、季節やセールのたびに書き直す作業が積み上がっています。

実例:アパレル通販で、作業を約9割減らした

当社が開発した案件です(社名は秘密保持のため非公開)。

アパレルの通販会社で、商品を1点登録するたびに、メーカー資料から寸法を書き写し、画像を1枚ずつ加工し、タイトルと説明文を考える、という工程を担当者が手作業で行っていました。さらにセールや季節のイベントが来るたびに、商品を1点ずつ見て原稿を書き直していました。

作ったのは次のものです。

  • メーカーの資料から寸法データをOCRで読み取り、商品情報へ取り込み
  • 商品画像の加工(ラベルの貼り付け、リネーム、品番ごとの振り分け)をまとめて処理
  • 販売データを取り込み、商品ごとの反応を集計
  • イベント・季節に合わせたタイトルと説明文を生成AIが作成
  • 反響の良かった打ち出しを残し、次の機会に呼び出して再び使える形で蓄積
  • 出す前に担当者が確認して直せる画面

結果として、イベントに合わせたタイトル・説明文を用意する作業が約90%減りました。費用は月額35,000円です。

最後の「反響の良かった打ち出しを残す」が、地味ですが効きます。前に当たった見せ方は、たいてい担当者の記憶の中にしかありません。担当が変わればゼロからやり直しですし、同じ商品で去年うまくいった打ち出しを、今年もう一度出すことすらできていない会社が多いです。

詳しい範囲と、対応できない条件は開発事例の詳細ページにまとめています。

どこから手をつけるか

順番があります。原稿 → 採寸 → 画像加工の順が早いです。

1. 原稿

いちばん早く効きます。商品情報と過去の販売データがあれば、文章は作れます。新しい機材も撮影の段取りも要りません。まず1カテゴリだけ試して、担当者が手直しした量を見れば、使いものになるかがすぐ分かります。

2. 採寸

メーカー資料に寸法が載っているかを、先に確認してください。載っているなら、読み取って商品情報へ入れるところまで自動化できます。載っていなければ、実物を測るしかありません。ここは正直に見極める必要があります。

3. 画像加工

撮影そのものは残りますが、撮ったあとの作業(切り抜き、ラベルの貼り付け、リネーム、品番ごとの振り分け)はまとめて処理できます。1枚ずつ開いて保存し直している時間が長いなら、ここも大きいです。

気をつけること

  • 撮影は残ります。「ささげ業務がなくなる」という期待で始めると、必ずずれます
  • 生成した文章は、人が見てから出す。無確認で自動掲載する運用は勧めません。商品の言い回しは、その会社の資産だからです
  • 販売実績が少ない新商品は精度が下がります。反応の裏づけが取れないためです。まずは実績のある商品から始めてください
  • 外注をやめる前提で考えない。撮影は外注、採寸と原稿は自社の仕組み、という分け方がいちばん現実的です

よくある質問

Q. ささげ業務の費用はいくらくらいですか?

A. 外注する場合、1商品あたり撮影1,000〜5,000円(郵送)、採寸400〜3,000円、原稿100〜8,000円が相場です。まとめて依頼する場合は、アパレルで型単価5,000円〜、月300型で月150万円〜という公開事例があります。自社で仕組みを作る場合は、当社の料金で初期費用0円・月額3万〜5万円(税別)が目安です。範囲を聞いたうえで、先に金額をお伝えします。

Q. アパレル以外でも当てはまりますか?

A. 当てはまります。採寸はアクセサリーや小物、家具などでも発生しますし、原稿づくりは商材を問いません。食品のように調理や盛り付けが要るものは、撮影の比重が大きくなります。

Q. 撮影だけ外注して、残りを自社でやるのは変ですか?

A. 変ではありません。むしろその形がいちばん現実的です。撮影は人と場所が要るので外に出し、書き写しと文章づくりは社内の仕組みに寄せる、という分け方です。

Q. 「ささげ」とは何の略ですか?

A. 「撮影」「採寸」「原稿」の頭文字です。EC運営の現場で使われる言葉で、一般的な辞書には載っていません。

まとめ

  • ささげ業務は撮影・採寸・原稿の3工程。自動化のしやすさはまったく違う
  • 撮影は人が要る。採寸と原稿は仕組みで減らせる
  • 外注の相場は1商品あたり撮影1,000〜5,000円・採寸400〜3,000円・原稿100〜8,000円。まとめて頼むとアパレルで型単価5,000円〜
  • 分かれ目は点数と頻度。毎月まとまった数を継続して出すなら、仕組みにしたほうが安くなる
  • 実例では、寸法のOCR・画像加工・原稿生成をつないで作業を約90%削減、月額35,000円
  • 手をつける順番は原稿 → 採寸 → 画像加工

「商品を出すのが追いつかない」「セールのたびに原稿を書き直していて終わらない」という段階でも、お問い合わせから相談してください。いまの出し方を聞いたうえで、外注のままがいいのか、仕組みにしたほうがいいのかからお答えします。

参考にした資料

関連記事

この記事を書いた人

佐藤 駿介

佐藤 駿介

Shunsuke Sato

代表 / Founder & Developer, 合同会社SAi

中小企業のAI・業務自動化を専門とする開発者。営業マンや下請けを介さず、ヒアリングから開発・運用まで一貫して直接対応。「月額1万円から始められる、本当に必要なAIだけ」をモットーに、フルスクラッチ開発を中小企業の手の届く価格で提供している。

ほかの記事

他のおすすめ記事

AI・RPA導入の無料相談を実施中

この記事を読んで「自社でも効果が出そう」と思われましたら、お気軽にご相談ください。現状分析から最適プランのご提案まで、すべて無料で対応いたします。

この記事は編集方針にもとづいて作成しています。 PR掲載について